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「電力需給ひっ迫注意報」が4日連続で出され、節電が要請される一方、熱中症による緊急搬送件数が激増しています。
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今年は異例の早さで梅雨が明け、6月では観測史上初の40度超えとなるなど、記録的な猛暑が続いています。
そのため全国的に冷房などの使用が増え、電力需要が電力各社の想定を大きく上回っています。電力供給の余力を示す「予備率」が5%を切る状況が続き、政府は「電力需給ひっ迫注意報」を27日以降、継続して発しています。
綱渡りの状況を改善すべく、電力各社はさまざまな理由で停止していた火力発電所の稼働を急いでいます。
東電管内では、老朽化により稼働停止していた千葉県の姉崎火力発電所5号機ほか、計17カ所の発電所が再開される予定です。東北電力も、3月の地震により停止していた宮城県の仙台火力発電所4号機、福島県の原町火力発電所2号機を7月中旬までに急ぎ復旧させる見通しを示しています。
そうした中、福島県の勿来(なこそ)発電所9号機が、ファンの振動に異常が確認されたため30日未明より計画外停止。同じく福島県内の変電所にヘビが侵入し、電気設備に接触したことにより1万軒で停電が発生するなど、思わぬトラブルも相次いでいます。
ぎりぎりの電力状況で節電が要請される一方、全国で熱中症による救急搬送者が、例年比で激増しています。東京都内では29日、搬送者が224人と今年最多となりました。
全国的には20~26日の1週間の速報値として、4551人が搬送され(総務省消防庁発表)、6月の1週間としては記録上最多となりました。特に厳しい暑さと節電要請が始まったのが翌27日からなので、次の速報でより大きな数字が出ることが懸念されます。
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