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「アメリカの裏庭」とも呼ばれる中南米で、アメリカの影響力低下が顕在化しています。
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6日から10日にかけて米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された、北米(アメリカ・カナダ)と中南米諸国の首脳らが一堂に会する「米州首脳会議」において、バイデン米大統領がキューバ、ニカラグア、ベネズエラの3カ国を「人権をめぐる懸念や民主主義の欠如」を理由に排除しました。
これを受けて、メキシコのロペスオブラドール大統領が「中南米全ての国を招待」しなければ参加しないと主張。国境を接する大国メキシコの参加は不可欠であるため、バイデン氏は特使を送り込んでロペスオブラドール氏を説得しようとするも、先の3カ国を招待しないという立場を変えなかったことにより、ロペスオブラドール氏は正式に不参加を表明。エブラルド外相が代理出席することになりました。
メキシコに続いて、ホンジュラスやボリビアなどの国々も会議をボイコットし、最終的に米州機構(OAS)35カ国のうち、首脳を派遣したのは23カ国のみです。
ボイコットと並行する形で、バイデン政権から事実上「専制主義国家」と認定され会議に招待されなかったニカラグアでは、反米左派のダニエル・オルテガ大統領が露軍など9カ国の軍に駐留許可を出しました。
緊急事態などに対応するという名目で、ロシアやキューバ、ベネズエラ、メキシコ、そしてアメリカにも軍の駐留を許可しましたが、米軍に関しては「ニカラグア軍と事前に計画、調整した上で」と但し書きがついており、実現性はほとんどないと見られています。
一方のロシア政府は1月26日時点で、プーチン大統領がニカラグア、キューバ、ベネズエラの首脳と電話会談を行い、あらゆる分野で協力関係を強化することで合意したと発表しており、2月にはアルゼンチンのフェルナンデス大統領とブラジルのボルソナロ大統領も訪露し、首脳会談を行いました。
一連の動きから、中南米がロシアを軸とした"反米勢力"の拠点となる可能性が指摘されています。
さらに中南米では中国も影響力を増しています。ロイター通信が8日に報じたところによると、メキシコを除く中南米と中国との貿易額は去年、2470億ドル(約31兆4千億円)に達し、アメリカとの貿易額1740億ドル(約23兆4千億円)を大きく上回ったとのことです。ロイターは、中南米と中国の貿易額がアメリカを上回ったのはトランプ政権下の2018年ではあるが、バイデン政権下でその傾向は加速していると指摘しています。
ここにきて、中南米に対するアメリカの影響力低下が顕在化しています。
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