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2月24日にウクライナ戦争が起きて以降、中国とインドがロシアからの資源の輸入を大幅に増やしています。

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ロシア制裁に同調していない中国は、中東やアメリカなどと比べて割安であるロシア産の石油輸入をひそかに拡大していると、ロイター通信が5月20日に報じました。記事によると5月の海上輸入は、過去最高水準に近い日量110万バレルに増える見込みです。さらに4月のロシア産原料炭の輸入は、過去最高となる171万トンとなり、前年同月より2倍以上増えたといいます。

中国よりも記録的なスピードで輸入を増やしているのが、インドです。インドは戦争が起きた2月24日~5月8日の間、輸入を前年比の3倍以上となる46億7000万ドル(約5900億円)に急増させました(5月11日付フィナンシャル・エクスプレス)。具体的な品目としては、原油は393%、石油製品は175%、石炭やコークスなどは277%、肥料は数倍それぞれ増加しました。インフレに苦しむインドは物価高騰を抑制すべく、市況価格の平均より安いロシアからの輸入を増やしています。

欧米の買い手がロシアとの取引から手を引いたことで生じた空白を、中国とインドが埋めている格好です。

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