《ニュース》
ジョー・バイデン米大統領が4月28日(現地時間)、ウクライナへの軍事・経済・人道支援を強化するため、2022会計年度(21年10月~22年9月)に330億ドル(約4兆3000億円)の追加予算を承認するよう連邦議会に要請しました。
次の予算が組まれる9月までの5カ月の間、ウクライナ支援に充てたい考えです。
《詳細》
バイデン氏はホワイトハウスで演説を行い、次のように語って予算承認を求めました。
「ウクライナの自由のための戦いを支援するため、この法案が必要だ。北大西洋条約機構(NATO)の同盟諸国や欧州連合(EU)のパートナーたちも相応の費用負担をすることになるが、これは我々がやらなくてはならないことだ。同盟を率いる役割を果たさなくてはならない」
「毎日、毎日、ウクライナの人々はこの戦いに命をかけている。したがって我々は兵器と資金、弾薬、そして経済的支援を提供することで、ウクライナの人々の勇気と犠牲を意義あるものにすると共に、彼らがこの戦いを続け、彼らがしていることを継続できるようにしなければならない」
「この戦いにかかる費用は決して安くないが、侵略に屈すれば、より大きな犠牲を払うことになる」
その一方で、あくまでアメリカが「ロシアを攻撃」するわけではないと強調し、ウクライナに戦争を継続させるという目的を明示しています。
追加支援の主な内訳としては、軍事支援に204億ドル、ウクライナへの財政援助に85億ドル、医療品や食料品の提供、難民への職業訓練などの人道支援に30億ドルと説明。
米政府高官によると、軍事作戦が開始されて以降、この2カ月の間で既にアメリカは140億ドル(約1兆8000億円)ほどの予算をウクライナ支援に充てているとのことですが、今回の追加支援はこれの倍以上の額です。
上記の追加予算に加え、バイデン氏はロシア政府と近いとされるオリガルヒ(新興財閥)からさらに資産を没収できるよう法改正も提案しています。没収したオリガルヒの資産をウクライナ支援に回せるようにするほか、制裁逃れに対する取り締まりも強化するとのことです。
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