2022年6月号記事
INTERVIEW
"ウイグルの劉暁波"イリハム・トフティの娘が語る
ユニクロ・無印良品は
ウイグルから完全撤退を
「東トルキスタンの劉暁波」と言われる人物がいる。中国・北京の中央民族大学で教鞭を執っていた、ウイグル人の経済学者イリハム・トフティ氏だ(写真)。
同氏はウイグル人などの人権擁護活動に取り組み、漢民族とウイグル人の融和を訴え、インターネット上で新疆ウイグル自治区の内情を国内外に発信してきた。中国当局は2014年、「ウイグル独立を訴え、国家分裂活動に従事した」として同氏を逮捕。同自治区の裁判所は「国家分裂罪」で無期懲役と全財産没収の判決を言い渡した。
イリハム氏の活動は国際的に高く評価されている。19年には欧州連合(EU)議会が優れた人権擁護活動に贈る「サハロフ賞」に同氏が選ばれ、娘のジュハル氏が授賞式に代理出席した。今回、そのジュハル氏に話を聞いた。
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労働者人権協会 (Worker Rights Consortium)
強制労働プロジェクトコーディネーター
イリハム・ジュハル
(Jewher Ilham)ウイグル人経済学者イリハム・トフティの娘。2013年に訪米し、現在もアメリカ在住。近書に『BECAUSE I HAVE TO』(未邦訳)。
逮捕された父が終身刑になったと聞いた時は、言葉にならないくらい、ショックでした。10年の刑期か、最悪の場合でも20年の刑期を予想していました。まさか父が、文化大革命以来初めて終身刑となった政治犯になるとは思ってもみませんでした。
父がやりたかったことは中国とウイグル社会を助けることです。最も親切で温かい心を持ち、学生や友人や同僚からも最高の評判を得ていた人が、なぜ終身刑を宣告されるのでしょうか。