米軍普天間飛行場の移設問題で、移設先の名護市民が条件付きで受け入れを容認していることを、8日付の琉球新報が報じている。

記事によると、名護市の辺野古区はすでに昨年5月、政府が普天間飛行場をキャンプ・シュワブ沿岸に決定した場合、現行の環境影響評価(アセスメント)の範囲内での沖合移動や補償拡充などの条件に容認を決議。今回はそれに加えて、名護市の許田区と喜瀬区が4月の両区の総会で、辺野古区の意向を支持し歩調を合わせていく決議を行ったという。

同紙は、「しっかりと意思表示をする必要があると考えた」(許田区・崎浜一郎区長)、「辺野古区は条件付き受け入れを表明しており、その考えを支持する趣旨のもの」(喜瀬区・幸地常一区長)と両区区長のコメントを載せているが、「両区の関係者は決議をした明確な理由を示していない」と批判的なニュアンスで伝えている。

本土に伝わってくる普天間情報は、「県外移設は沖縄の民意」といった論調のものがほとんどだが、現実はそう単純ではない。09年の民主党政権の迷走以来、弊誌は辺野古地区周辺での取材を続けているが、名護市のある区長は、経済や国防の観点から「普天間が辺野古に来なかったら大変なことになる」と“世論”とは逆の危機感を強めている。

沖縄のメディアは、反基地、反米、反日の方向に偏っており、多様な意見がなかなか県民には届かない上、沖縄社会には、周囲との調和を第一に考え、自分の意見を主張できない独得の空気がある。しかし、沖縄県民も、学校教育や報道などによるマインド・コントロールにそろそろ気づかなければ、近い将来、沖縄を自らの領土であると主張する覇権国家によって侵略を受けることにもなりかねない。(冬)

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