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中国が、領有権と管轄権を主張する南シナ海のスプラトリー(中国名:南沙)諸島の3礁を完全に軍事要塞化し、中国海警局と中国海軍の一体化も進んでいると、29日付日本経済新聞が報じました。

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同紙は、米インド太平洋軍のアキリーノ司令官が3月、AP通信のインタビューで、「3礁でミサイルや航空機の格納庫、レーダーシステムなど軍事施設の建設が完了し、中国が大陸沿岸部を越えて攻撃能力を展開している」などと語ったことを紹介しています。

また、中国は東シナ海と南シナ海を管轄する海警局の増強を進めており、速射砲や対空ミサイルなどを装備する海軍保有のコルベット艦20隻を海警局に移管する計画だといいます。

こうした動きを受けて、周辺国との対立も強まっています。フィリピンの沿岸警備隊は27日、中国が実効支配するスカボロー礁の周辺海域で、パトロール中の巡視船が海警局の接近を受けたことを非難しています。声明によると、中国の船が最も接近した際、巡視船と約19メートルの距離にまで迫っていたということです。

また28日からは、毎年この時期に行っている米軍とフィリピン軍による合同軍事演習が始まりました。両軍合わせて約8900人が参加予定で、2015年以降、過去最大規模となります。ルソン島の最北部にある浜辺で、米軍がフィリピン軍と連携して上陸訓練を行うなど、フィリピン各地で訓練を行うといいます。

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