2022年3月号記事

依存症治療医も戦慄
SNSの10倍怖い「メタバース」

この人生が"アバター"なのに

米フェイスブックが昨年10月、社名を「メタ」に変更した。事業の主軸をSNSなどから、「メタバース」という仮想空間づくりに移すという。

これを皮切りとして世界に「メタバース」という言葉が溢れたが、馴染みのない人がほとんどだろう。

メタバースとは?

近い概念が「VR(仮想現実)」だ。最近テレビで芸能人がヘッドセットを着けて、疑似ジェットコースターで悲鳴を上げている"あれ"である。VRが、脳を現実だと錯覚させる力は相当なもので、高所に"立て"ば、先ほどまで他人の悲鳴を笑っていた人でも、恐怖のあまりしゃがみ込む。「VRギロチン」なる悪趣味なコンテンツもあるらしいが、体験者は刃が首に"触れた"瞬間、「ぐえっ」という声と共に首に強烈な感触が走り、半ば意識を失ったという。その性能は想像を超える。

そしてこのVRが、ある種の「社会空間」として展開したものが「メタバース」である。単に自分一人、バーチャルの遊園地でジェットコースターを疑似体験するだけなら単なる「VR」。だが隣の席に、「別の家でヘッドセットをつけている他人のアバター(*1)」が座り、横のバーチャル・カフェでその感想を語り合えば、それが「メタバース」になる。他人と銃撃戦をしたり、ビジネス用の会議をしたりするアプリなども、続々登場している。

(*1)仮想空間でプレイヤーの代わりに動くキャラクター。

19160_01.jpg

カードゲーム

19160_02.jpg

シューティングゲーム

19160_03.jpg

マーク・ザッカーバーグ氏のアバター

19160_04.jpg

誕生会

19160_05.jpg

会議

19160_06.jpg

サーフゲーム

19160_07.jpg

剣で戦う

19160_08.jpg

空を飛ぶ

昨年10月のオンラインカンファレンスで、ザッカーバーグ氏が紹介した「メタバース」の様子。
YouTube動画「The Metaverse and How We'll Build It Together─Connect 2021」よりキャプチャ。