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高騰している欧州の天然ガス価格が、21日に過去最高価格を記録しました。ロシアがパイプラインを通じてドイツに供給する天然ガスの量が、減少したことなどが主な原因です。
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21日付ロイター通信によると、欧州の政財界の一部からは、ウクライナ情勢の緊迫化(関連記事参照)や独露間の天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の承認手続きの停止などを理由に、ロシアが欧州へのガス供給を抑えていると非難する声が上がっています。しかしロシア政府はそれを否定しています。
コンサルティング会社エナジー・アスペクツの欧州ガス部門責任者ジェームズ・ワデル氏はロイター通信の取材に対し、「今冬、欧州には貯蔵の余裕がほとんどなく、例年に比べて輸入に大きく依存している」「さらに(ロシア国営天然ガス企業の)ガスプロムは従来、欧州への供給量の約20%をポーランド経由で出荷してきたが、今年はこの流れが安定せず、欧州が実際にロシアから受け取るガス量について不確実性が高まっている」と話しています。
脱原発政策を進めるドイツを筆頭に、欧州各国は多くの原子力発電所を閉鎖している一方、地球温暖化対策の一環として、石炭や石油に比べて燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない天然ガスへの依存を高めています。
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