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2020年における中国の出生率が、過去最低を記録しました。
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中国政府がこのほど公表した「中国統計年鑑2021」によると、2020年の出生率が最低水準となりました。1000人当たり8.5人の出生と、1949年の建国以来で初めて一桁台を記録したとのこと。
出生率と死亡率の差を示す「自然増加率」においても、ここ数十年間で最低の水準に。餓死などにより4500万人が亡くなったとされる「大躍進」時代(58~60年)以外で、最も低かったといいます。
中国は一人っ子政策などの影響により、厳しい「少子高齢化」に直面しています。ある論文では、「2020年から2035年にかけて7000万人の就業者数が消え、1億3000万人が高齢者となる。つまり向こう15年間でフランスの人口と同じ規模の消費者、納税者、就業者が消え、日本の人口と同じ規模の高齢者が増える」という指摘もあります(関連記事「米論文『中国の成長はもはやこれまで』 中所得国の罠にはまりつつある中国」参照)。
来年も引き続き出生数が減ると予想されており、このまま出生人口が増えなければ、死者数が出生数を超え、人口減少に転じる可能性があると見られています。「2066年には中国の人口が7億人台にまで減少する」と予測する分析もあるほどです。
こうした人口要因も踏まえ、これ以上の中国経済の成長は難しいとする声が、ますます強まっています。
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