《ニュース》
日本初である台風専門の総合研究機関「台風科学技術研究センター」が1日、横浜国立大学に開設されました。
《詳細》
同センターは、気象庁や海洋研究開発機構、理化学研究所などの政府系機関のほか、東京大学、京都大学、慶応大学など6つの大学、さらには東京海上研究所、川崎重工、デロイトトーマツコンサルティングなどの民間企業なども参加する、官民、産学の合同機関です。
「航空機で直接台風を観測することによる予測精度の向上」などを目指していますが、特に話題になっているのが「台風の勢力を人工的に弱めて災害を減らす『台風制御』」の研究です。
制御手法の一つとして挙げられているのが、「航空機から台風に直接氷などをまくことで、勢力を減退させる」といったもの。この技術については昨今、日本人研究者チームの中でもコンピューターシミュレーションなどが行われており、「2年前の房総半島台風の風速を計算上3メートル減少させ、家屋への被害を3割減らした」といった結果もあるとのことです。
こうした台風制御研究については、内閣府も2050年にかけて重点的に取り組む研究課題の一つに選定し、研究費などを支援していく方針であることが、9月に報じられています。
台風による災害リスク軽減に期待を寄せる声が出る一方、台風制御の倫理的問題・思わぬ副作用を招く可能性を指摘する声もあります。
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