《ニュース》
新疆(しんきょう)で生産された綿の調達をやめると発表していたスウェーデンの服飾大手「H&M」が、中国側からの猛攻撃にあっています。
《詳細》
中国の新疆ウイグル自治区において、ウイグル族など少数民族が強制労働を強いられている実態が、特に昨年から表面化し始めています。それを受けて、新疆産の綿を使っていた商品を取り扱っているアパレルメーカーなどは、批判にさらされています。
その一つであったH&Mは同9月、新疆綿を取り扱わないと発表していました。
今月、アメリカやEUが、ウイグルの人権弾圧に関して経済制裁を決定。それとタイミングを合わせるように、H&Mへの批判が、中国の官民から今になって浴びせられています。電子商取引大手アリババ傘下の通販サイトからもH&Mの製品が消え、人気俳優も同社との関係を解消。さらには国営メディアまでもが同社を批判する展開となっています。
日本でも、「無印良品」を展開する良品計画が、新疆産の綿を使用していることが問題になっていました。今月、各所からの追及にようやく重い口を開く形で「製造委託先工場が強制労働など深刻な人権侵害に加担していると判明し、良品計画が影響力を行使しても是正が期待できない場合には取引関係の解消も選択肢として検討する」(ブルームバーグの取材に回答)と、かなり慎重な表現ではありますが、表明しています。
これを受けて、H&Mのように不買運動の対象になるのではないかとの懸念が広がり、同社の株価が急落するなどしています。
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