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米議会の超党派による「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」は14日(現地時間)、2020年の年次報告書を公表。中国政府がウイグル族などに対して、「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯した可能性があると指摘しました。

CECCの共同委員長を務める民主党のジム・マクガバン下院議員は、中国による過去1年間の人権侵害は「衝撃的で前代未聞だ」とし、議会および次期政権に対し、中国政府の責任を追及するよう求めています。

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同報告書は、ウイグル自治区で「人道に反する犯罪、おそらくはジェノサイドが起きている」ことを裏付ける新たな証拠が、この1年で見つかったとしています。CECCは、中国がアメリカ国内にいるウイグル族に対して嫌がらせをしているとも指摘しています。

CECCは報告書で、ウイグル自治区において「残虐行為が行われているか否か」に関し、米政府に正式な判断を求めています。昨年12月27日に可決された法案によって、政府は90日以内にその判断を下さねばなりません。

中国政府はCECCの報告に対し、「中国を中傷するため、あらゆる嘘をでっち上げることに躍起になっている」「いわゆる"ジェノサイド"は、反中勢力が広めたうわさで、中国の信用を貶めるための茶番だ」と批判しました。

報告書の公表に先立ち昨年末、トランプ政権はウイグル弾圧について、国際法上の犯罪となる「ジェノサイド」に認定するかどうか検討に入ったと明らかにしています(関連記事参照)。つまり、中国が"人権蹂躙国家"であるということを、国際法に照らし合わせて公式に認定する可能性があるということです。

政権移行をめぐる混乱により、バイデン氏の就任までには認定できないだろうとする見方が多いものの、今回の報告書がその足がかかりとなるか、注目が集まっています。

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