2020年10月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第95回

幸福実現党党首

釈量子

(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。

釈量子のブログはこちらでご覧になれます。

https://shaku-ryoko.net/

コロナ補償、まるで宝くじ?

「宝くじが当たったみたいで申し訳ないなあ」

ある農家から、そんな声が上がっています。コロナ対策として、売り上げが減少した特定の作物を生産している農地には、規模に応じて交付金が出るというのです。大きな畑があれば、何千万円も入ってくるケースがあるといいます。10アールあたり5万円。40ヘクタールの場合は2000万円になる計算です。

コロナ対策のため、わが国の政府や自治体は、決壊したダムのようにばら撒きの大盤振る舞いをしています。

欧米などでも大規模な政府支出が行われていますが、日本におけるコロナの死者数は1000人強(8月中旬時点)。年間の死亡数は約130万人なので、半年で65万人亡くなるうちの0・1%です。しかし、政府は営業や移動の「自粛」を押し付け、コロナ対策のための財政支出は120兆円を超えました。

「隣の市よりうちが手厚い!」

地方の自治体には国から「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が配られることになり、全ての自治体が「我も我も」と手を上げました。

しかし、幸福実現党の地方議員たちに聞くと、膨大なお金の「効果的」な使い方に苦慮しているところも少なからずあるようです。

「血税の無駄遣いはできない」といった意見の出る議会もありますが、「貰った予算をいかに使い切るか」という発想のところも多く、小中高のみならず議員全員にタブレットを配布したり、グルメ券の発行、図書館の"パワーアップ"をするなど、「何でもあり」の感も否めません。アベノマスクのような″空振り"が、全国で行われているのではないでしょうか。

ある町では、タクシーなどのアルコール消毒のため、作業補助金700万円を計上しました。しかし、申し込みはないといいます。この町の感染者は、いまだにゼロだからです。

問題なのは、日本中に「貰えるものは貰おう!」という空気が蔓延していることです。

ある市では、建築業界などを救うという名目で、「住宅リフォーム補助金」を設けました。ふたを開けたら「エアコンが買える!」ということで、電気店が大繁盛。補助金をフル活用し、自己負担なく5台つけた家庭もあるとか。ちなみにこの市の感染者数も、ゼロです。

水道の基本料金を数カ月、無償化した自治体も多くあります。水道水を他の自治体から買っている地域などは水道料金が高いので、「助かった」という声もあります。ところが隣の市の住民が「なぜ、うちの市だけ無料にならないのか」と言い始め、首長も選挙に通らなければいけないので、追随するのです。

こうした空気の中、各自治体が「この方面に〇〇円の補助をつけました」「この市は県内で一番早く配りました」と、「迅速さと額」を競っていることに、何人もの地方議員が危機感を漏らしていました。

こうした補助金や交付金は、選挙資金と化しています。とある地域では、農業協同組合(JA)が中心となり、農水族の政治家を支援している農家だけに、「夏の農機具の展示会をします」などと声をかけると言います。そして会場に行った農家は、農機具を買うための補助金の存在を知ることができるのです。

補償・交付の大盤振る舞いで、日本は「大きな政府」路線を急速に歩んでいる。写真:ロイター/アフロ

ばら撒きは財産の先食い

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しかし知らなければならないのは、ばら撒きの財源が、将来の増税で賄われるということです。消費税は30%になり、「貯金税」も取られるという話も出始めています。私たちの多くは、将来の財産を先食いさせられていることに、気付いていないのではないでしょうか。

大川隆法・幸福実現党総裁は、2009年の立党後まもなく「新・日本国憲法試案」を打ち出し、日本が目指すべき国のかたちを明らかにしています。そこに、こんな条文があります。

第十一条 国家は常に、小さな政府、安い税金を目指し、国民の政治参加の自由を保障しなくてはならない

権力の膨張を防ぐと同時に、政府の大盤振る舞いと、国民を襲う増税という反動を防ぐ防波堤を、憲法に条文で定めようということです。

人間は一人ひとりが神の子としての本質を持っており、大きな力があります。幸福実現党は、コロナ禍だからこそ必要な自助努力の精神を、訴えてまいります。