2020年2月号記事
幸福実現党 党首
釈量子の志士奮迅
第87回
幸福実現党党首
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
日本夢と中国夢
「中国夢」といえば、習近平政権のスローガンです。その考え方の土台になった書籍『中国夢』を書いた人民解放軍将校の劉明福氏が2018年に、『日本夢(ジャパン・ドリーム)』という本を、日本人と共著で出しています。
その中で劉氏は、「中国の軍事力が世界で最も強くなることで、世界平和は初めて保障される」といった"夢"を、惜しげもなく披露しています。
同書で印象的なのは、劉氏が日本人共著者との対談で、「(日本人の)誰も私に、"ジャパン・ドリーム"について明快に語ってくれない」「日本の政治家に"ジャパン・ドリーム"に関する著名な談話はありますか?」「夢を持たない民族に未来などない」などと、畳み掛けるように問い詰めていることです。
それに対して日本人著者は、「日本は戦前に夢を語って暴走したから……」と弁明しており、劉氏は「日本は戦前、軍国主義化した」と強調し、新たな"日本夢"として「アメリカと手を切る」「非核化」などを提案しています。
日本が明確な夢を打ち出すことなく「行きあたりばったりの政治」を続けていれば、独善的な強い念波で発信されている「中国夢」に、いつのまにか呑み込まれてしまう─。同書のやりとりを見て、そんな危機感を覚えてしまいました。
中国夢に吸収される日本!?
中国旗がはためく新疆ウイグル自治区。
2019年は、そんな「中国夢」の内実が、次々と明らかになった年でした。
習近平国家主席は新年早々、台湾への武力行使を辞さない姿勢を明らかにしました。香港で起きた民主派デモにおいても、中国政府の意向を受けた警察の弾圧はエスカレート。半年のデモで6000人以上が逮捕され、不審死も相次ぎました。
さらに11月には、新疆ウイグル自治区におけるイスラム教徒への弾圧に関して、中国の内部文書が米ニューヨーク・タイムズ紙にリークされました。
2019年は、日本政府の媚中姿勢が目立った年でもあります。20年春に予定されている習氏の国賓来日を控え、香港・ウイグルなどの問題について傍観者の立場を貫きました。
その背景には、経済における中国依存があります。
日本の大手アパレルメーカーの店舗に行けば、「新疆産」の綿が大々的にアピールされています。その生産には、強制労働させられたウイグル人たちが関わっているという疑惑も。トヨタは中国での新車販売台数で、5位から2位に浮上しました。
日本企業のサプライチェーンが「中国夢」にからめとられ、国ごと引きずられている─。この状況を、日本国民は本当によしとするのでしょうか。
新しい夢を、あなたに。
今こそ、日本としての夢を、明確に持つべきです。
私たち幸福実現党は、「世界のリーダー国家・日本」のビジョンを提示したいと思います。太陽が昇る如く、「自助努力からの繁栄」でGDPにおいて中国を抜き返したい。米英など「自由・民主・信仰」を基本原則とする国々と手を取り合って、独裁と専制を排すべく国際社会での発言力を増していきたい。そして何より、神仏に愛される国創りをなしていきたいのです。
わが党は、新ポスターのキャッチコピーとして「新しい夢を、あなたに。」を掲げました。新しい「日本夢」に向けて政策発信し、みなさまと共に幸福を実現していきたいと思います。2020年もどうぞよろしくお願い申しあげます。