5月11日、香港立法会(議会)の議員として、体を張って条例改正案に反対するウー氏。写真:AP/ アフロ。

2019年8月号記事

ニュースのミカタ 特別編 1

インタビュー

繁栄を奪う「逃亡犯条例」改正

香港は二度と元に戻れなくなる

香港の自由を訴える民主党の主席に「逃亡犯条例」改正が香港に与える影響について聞いた。

(聞き手 幸福の科学国際本部 諸岡由憲)

香港民主党 主席

ウー・チワイ

プロフィール

(Wu Chi-wai・胡志偉) 1962年生まれ。ウィスコンシン大学ミルウォーキー校で経済学修士を取得。2016年12月に香港民主党の主席(党首)に就任。

──なぜ、香港政府は「逃亡犯条例」改正を急ぐのでしょうか。

ウー・チワイ氏(以下、ウー): 政府がこんな短期間で法律を制定させなくてはいけない理由は分かりません。 唯一考えられるのは、中国本土の中央政府からの命令があったということです。

この法律は、いかなる人物であろうと中央政府が送還を望めば、それを可能にできる権力を政府に与えるものです。送還の命令が中央から出ているなら、行政長官は拒否することができません。

「一国二制度」の下で香港の自由は守られる必要がありますが、中国に批判的な言動を行うジャーナリストや活動家たちが、香港に入境するビザの更新を拒否されるなど、すでに自由は脅かされています。