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2019年7月号記事

世界の識者が警告

便利な生活、冴えない人生……

「GAFA依存症」にご注意を

AIの力で世界を席巻しつつあるGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)。
その便利さの裏にある危険性と、未来における正しい付き合い方について、海外識者に話を聞いた。

AI(人工知能)が人間に取って代わる」という"予言"を耳にしたことはあるだろう。実際、すでにAIは私たちの脳の一部を代替し始めている。

グーグル登場前、私たちは何かを考えたり判断するにあたり、情報を集めるには、人に聞いたり、本や資料をひっくり返さなければならなかった。どこを当たれば、良質な情報があり、集めた情報もどれが自分にとって重要かを考えた。

しかし今はグーグルで、AIが「あなたにとってどれが大事で、信用できる情報か」をランキング形式で示してくれる。

思考を「補助」してくれているわけだが、「とりあえずググる」が習慣づいている人にとっては、「発想の誘導」にもなる。

AI時代はこの延長線上にある。例えば、「論理的思考を強化してくれるチップを脳に埋め込める」といった未来が、そう遠からずやってくる。飛躍的に便利になる。しかし頭脳もより一層コントロールされる。

アマゾンサイトで、前から欲しかった商品をおすすめされてゾッとしたことがある人は多いだろう。その機能は商品のみならず、情報・コンテンツにも応用される。例えばユーチューブでは、AIが自分の趣味嗜好に合った動画を次から次へと提示する。「世の中にはこんなおもしろいコンテンツがあったのか」と"感激"し、「ハマる」人も多い。

しかしその代償は「時間」だ。ユーザーの接触時間を奪って広告収入を得ることが、ビジネスモデルになっている。

次ページからのポイント

AIの危険性を訴えるライアン・キャリア氏インタビュー

『資本主義の神話』共著者デニス・ハーン氏インタビュー