《本記事のポイント》
- 北朝鮮が、ロケット砲と見られる"飛翔体"を発射
- 挑発する北朝鮮に、トランプ大統領は大人の対応
- 金正恩氏は、トランプ大統領の「親心」を理解し、一刻も早い非核化を
北朝鮮が、アメリカを挑発している。
4日の午前9時6分ごろから27分ごろにかけて、北朝鮮が日本海に向けて「短距離の飛翔体」を発射したと、韓国軍合同参謀本部が発表した。70~200キロメートルの飛距離で、ロケット砲の可能性が高いと見られている。その翌日、北朝鮮の朝鮮中央通信もこれに言及。東部戦線防衛部隊が4日に日本海上で実施した「火力攻撃訓練」を、金正恩委員長が現地指導したという。
今回発射されたのは、国連制裁の対象となる弾道ミサイルではないと見られる。制裁違反を避けながらも、日米をはじめ北朝鮮に完全非核化を求める諸国への挑発によって、自国に有利な条件を引き出したい意図がうかがえる。
静観するアメリカだが……
金氏お得意の挑発に対して、ドナルド・トランプ大統領は大人の対応だ。
ツイッターで、「正恩氏は北朝鮮の素晴らしい経済的な潜在性を認識しており、その潜在性を損ねたり、道を閉ざしたりはしないと信じている」「金正恩委員長は私との約束の破棄を望んでいない」と、安易な挑発行為によって自らの首を絞めることのないよう金氏を諫めた。「(非核化の)合意は実現するだろう!」と結び、「今回の発射によって非核化への道は閉ざされていない」と金氏に手を差し伸べた形だ。
米ワシントンに拠点を置く保守派シンクタンク「センター・フォー・ザ・ナショナル・インタレスト」のハリー・カジアニス氏も、北朝鮮の非核化が叶わないと考えるのは早計であるとし、このように述べている(4日付FOX NEWS)
「トランプ大統領は、これまでのどんな大統領もできなかったことをやってのけた。金氏の攻撃的な動きに対抗するのではなく、自制し、どんな挑発にも引っかからないことを示している。トランプ大統領は、シンガポールとベトナムでのサミットで合意に至らなかった失敗を差し置いてでも、金氏に、今なお外交的手段によって非核化を議論することができると再確認させようとしている」
「平和な朝鮮半島は、不可能な夢ではない。トランプ大統領は行動の男であり、古い問題に対して新しい方法によってアプローチし、解決策を見つけるだけの能力を持っていることを証明してきた。我々は、彼が北朝鮮との交渉においてもそのようにして成功できることを願うべきだ」
トランプ氏の「親心」に気づくべき
アメリカと北朝鮮の国力には圧倒的な差があり、一瞬で北朝鮮を焦土と化すことも可能だ。にもかかわらず、あくまで交渉による平和的な非核化を実現しようとしているトランプ氏の「親心」に、金氏は気がつくべきだろう。
親心を誤解し、身の程を知らない言動を続けていれば、いよいよアメリカが軍事行動をしかける可能性もある。実際、2月に行われた米朝会談の後、トランプ氏の守護霊は大川隆法・幸福の科学総裁のもとを訪れ、軍事攻撃の可能性を示唆している(関連記事「米朝会談は『決裂』だった 金正恩&トランプ守護霊霊言緊急収録」参照)。
4月にロシアで行われた露朝首脳会談では、期待していたロシアからの支援を得ることができず、北朝鮮は孤立を深めている。外交状況が厳しさを増す中、金氏がすべきはロケットの発射ではなく、一刻も早く非核化を進めることだ。2500万人以上の国民を率いるトップとして、決断が問われている。
(片岡眞有子)
【関連記事】
2019年5月号 決裂に終わった米朝会談 軍事攻撃の準備を進めるアメリカ
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2019年4月19日付本欄 北が新型戦術誘導兵器の発射実験 トランプ氏を振り向かせようと焦り始めた金正恩氏
https://the-liberty.com/article/15646/
2019年3月1日付本欄 米朝会談は「決裂」だった 金正恩&トランプ守護霊霊言緊急収録