2019年6月号記事

Expert Interview

人の命で稼ぐ犯罪国家

中国の「臓器狩り」に加担してはならない

中国では年間6万から10万件もの臓器移植が行われ、巨大な″1兆円ビジネス"に成長している。
その背景には生きたまま殺される「良心の囚人」たちがいた──。

(編集部 長華子)

弁護士

デービッド・マタス

プロフィール

(David Matas) カナダ生まれ。国連総会カナダ代表のメンバー、国際人権と民主発展センター長、カナダ憲法・国際法律条例主席などを歴任。2010年ノーベル平和賞候補、2017年ガンジー平和賞候補。

中国における臓器移植の件数は、アメリカの約3倍。目を見張るのは数だけではない。通常、移植の待機時間は、数カ月から数年だが、中国では数日から数週間とされる。

これだけ早く多くの臓器移植を行うには、「供給源」がなければ不可能だ。10年以上にわたる調査によって、中国がオンデマンドで(需要に応じて)人を殺し、臓器を摘出していることが判明してきている。殺害の対象となっているのは、思想・信条上の"罪"で自由を奪われた法輪功学習者などの「良心の囚人」だ。まさに「臓器狩り」と言える状況にある。

この問題について長年取り組んできた弁護士のデービッド・マタス氏が3月カナダから来日し、講演を行った。その際に、本誌のインタビューに応じた。