2019年3月号記事

国造りプロジェクト Vol.04

20年で896の市町村が消える!?

「補助金いらず」の地方再生

日本には、人口減少、老朽化するインフラ、財政難などの課題が山積している。

国内で進む「見えにくい脅威」に対処し、税金だけに頼らない自治体のあり方を探る。

(編集部 山本慧、長華子)


contents


PPPでできる、こんなことあんなこと

自治体経営の「常識」を破壊する4つの事例を紹介する。

01 民間主導の複合開発

「農業の町ですが、以前は『何でも揃うが、これといった特徴がなく、わざわざ行くような場所ではない』というイメージがありました。その印象が変わりつつあります」

1月、岩手県紫波町企画課企画主幹の鎌田千市氏はそう語りながら街を案内してくれた。紫波町は人口約3万3千人で、盛岡市のベッドタウンとして栄えた。だが、地方ではよくあるインフラ整備の財源不足や人口減少に直面。"自治体消滅"の話題もあり、地方に希望がないように見えた。

来街者が100万人

そこで紫波町は2009年に、民間主導による公民連携「オガールプロジェクト」を始める。

草が生い茂る広大な町有地(左画像)に、役場や図書館、ホテルなどが集積し、町全体の魅力が向上。昨年度は96万人がこの地を訪れ、16年度には日本で最も行政視察が訪れるなど、全国から注目を浴びている。一体、この町有地に何が起きたのか。

次ページからのポイント

02 "自治体民営化"で経費削減

03「借金ゼロ」で公共施設を建てる

04「教育」で公務員の仕事を早くする

INTERVIEW PPPで市民の声を反映する - フランク・シュニッドマン氏

INTERVIEW 増税するより、知恵を出す - サム田渕氏