2018年8月号記事
「新しい独裁者」の時代?
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン
米巨大IT企業4社は、頭文字をとって「GAFA」と呼ばれ、独占的に世界市場を支配している。
日本のマスコミがあまり報じないGAFAの闇とは――。
(編集部 山本慧、長華子、山本泉)
contents
グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン「新しい独裁者」の時代? Part.1
「だって、便利じゃん」
その言葉ほど、GAFAのサービスを的確に捉える言葉はないかもしれない。
GAFAのビジネスモデルは、「プラットフォーム」と呼ばれる。多種多様なサービスを一つのサイトで済ませられるため、利用者が全世界的に急増した。
アマゾンはもともと、書籍の通販会社だったが、今や、音楽のダウンロードや映画・ドラマなども観ることができる。
さらに、ついつい隙間時間に観てしまうグーグルの動画共有サービスYou Tube。「You Tubeを観るために、トイレにもスマホを持ちこむ」(20代男性)という人がいるほど生活に密着している。
編集部がGAFAの問題を扱うことを伝えると、周囲から「利用はやめないよ!」と反発される始末。何だか悪者のような扱いを受けたが、それほどGAFAのサービスは生活に浸透していると言える。
GAFAの値段は350兆円
その浸透具合は、数字にも表れている。
それぞれのシェアを見ると、グーグルは検索エンジン市場の約92%、アップルは米携帯市場の約54%、アマゾンは米電子商取引市場の約44%、フェイスブックはSNS市場の約76%を占めている。
会社の値段と言われる時価総額も、GAFAは合計3.1兆ドル(約350兆円)に達する。4社だけで、日本の国内総生産(GDP)の6割を超える。
GAFAは、他社が市場参入してきても、支配力が圧倒的であるがゆえに、その立場を脅かされることはない。世界を成長させる「時代の寵児」として脚光を浴びている。
だが、本当にGAFAに死角はないのか。便利さによって失われたものはないのか。GAFAの弊害を検証する。
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