このほど、欧州連合(EU)からの離脱を表明しているイギリスのメイ首相が、離脱移行期間が終了する2020年12月までに、イギリス領である北アイルランドとEU加盟国であるアイルランドの国境管理の問題が収束しない際には、国境管理の交渉を1年延長し、その間はEUとの関税なしの貿易も続けたいという方針を発表しました。
イギリスは2016年6月23日の「EU離脱の是非を問う」国民投票で離脱支持が約52%と、残留支持の約48%を上回ったことから、2017年3月にメイ首相が正式に離脱を通告。2019年3月29日の離脱が決定し、2020年12月末までは激変緩和措置である離脱移行期間とすることになっています。移行期間中はEUのルールに従うことを条件に、これまで通りEUとは関税なしの貿易を続けることで合意しています。
離脱まで9カ月を切っている今、メイ首相の突然の発表に、EUは抵抗を示しています。
イギリスの今後進むべき道筋について、EUの成り立ちや、イギリスがなぜ離脱を決めたか、そして日本ができることなどから考えていきましょう。