加工されたアルミ材を指でなで、傷がないかを確認するインドネシア人のイルファンさん。
2018年7月号記事
人手不足ニッポン
「親日外国人」を育て戦力化する
日本企業を襲う人手不足。人口減少を背景にする労働者の不足により、廃業に追い込まれる中小企業も増えてきた。
だがその一方で、助っ人外国人が即戦力以上の活躍を見せている。
(編集部 山本慧、馬場光太郎)
contents
人手不足は海外進出のチャンス 掃除と風呂で「日本人づくり」 / 人手不足ニッポン「親日外国人」を育て戦力化する Part.2
Case2
アルミ加工・販売
人手不足は海外進出のチャンス
掃除と風呂で「日本人づくり」
ベトナムとインドネシアの人材を"日本的な方式"でリーダーに育てることに成功している企業がある。
「求人広告を出したところで、最近はなかなか人が集まらない。余裕のある大企業ばかりがどんどん時給を上げるので、人が回ってこないんです。
それに日本人は、採用しても3分の2は辞めてしまいます」
そう語るのは、株式会社渡邉商事の渡邉暁社長。同社は、京都府京都市の伏見区を拠点にアルミ加工・販売を行う、従業員100人規模の企業だ。
オフィスへは、靴を脱いで上がる。廊下の床は磨きこまれ、壁には書や日本画がかけられている。
そんな純日本的な雰囲気の同社だが、なんと従業員の3割近くが、ベトナムやインドネシア出身の外国人だ。その数は増え続け、今年中にはさらに20人以上の受け入れを予定しているという。渡邉社長は語る。
「もう彼らがいないと、わが社は回りませんよ(笑)」
しかしそこには、人手不足を逆手に取って、日本文化を発信するという発想があった―。
現地で「雑巾がけ採用」
外国人も「義理人情」で動く