窃盗罪に問われた女性に対する刑事裁判で、珍しい判決が出ました。

東京高裁が、解離性同一性障害(多重人格)によって、犯行に及んだのは女性とは「別の人格」だと認定し、女性の刑事責任能力は限定的だという判決を言い渡しました。

女性は裁判で、「食品を買うために自宅を出た瞬間、別人格の声が聞こえて意識を失い、気づいたらカバンがぱんぱんに膨らみ、中には値札がついたジーンズがあった」「別人格が万引きをしたと分かったが、商品を返して怪しまれるのが怖かった」「自分の中には4人の別人格がいて統御できない」と訴えていました。

1審判決では、女性の主張は認められませんでしたが、2審の東京高裁では、女性の日記に別人格の存在をうかがわせる記述があることに着目し、「窃盗は別人格の犯行」だと認めました。

この判決をどのように見ればよいでしょうか。