2017年7月号記事

もっと発展するさぁ!

沖縄には多くの「宝」がある

沖縄では基地問題や経済格差に関する話題が多い。どうすれば未来を拓けるのか―。
現地で活動を続ける幸福実現党の代表者たちに話を聞いた。(文中敬称略)

(聞き手・編集部 片岡眞有子)

「新エネルギー産業で雇用を生み出す」

幸福実現党 沖縄県本部代表
下地 玲子

下地 玲子

プロフィール

(しもじ・れいこ)1958年那覇市生まれ。神奈川歯科大学卒。浦添市で歯科医院を開業し、現在は夫の経営する医院の事務長を務める。四児の母でもある。

沖縄の主な収入は、観光業や公共事業、基地からのものです。

ただ、観光業は景気や国際情勢の変化に左右されやすいので、自分たちの努力で恒常的に富を生み出す産業の育成が必要です。

しかし、沖縄では、多くの雇用を生み、経済の軸となる基幹産業が育ちにくいと言われています。その大きな理由の一つが、エネルギーコストの高さです。

他県と比べても電気代が高く、「エネルギー不毛地帯」と呼ばれています。太陽光や風力発電に力を入れていますが、天候の影響を受けやすく安定性に欠けます。

海洋温度差発電の可能性

今、沖縄本島から西へ100キロの久米島では、世界で唯一の海洋温度差発電の実証実験が行われています。これは、温かい表層の海水と冷たい深層水の温度差を利用した発電です。海水なので尽きることがなく、いくらでも発電できます。

この発電に伴う水素製造の研究も行われています。自動車の燃料など、今後水素の需要は高まっていくでしょう。コンパクトなプラントを本島や離島の至るところに造って水素基地にすれば、沖縄を支える産業になります。

ちなみに、汲み上げた深層水を利用した車エビや海ブドウの養殖など、関連事業による利益はすでに年20億円以上です。

油が採れる「夢の藻」

また、沖縄の海で発見されたオーランチオキトリウムという藻から油がとれるということで、注目を集めています。単位面積当たりで生産できるエネルギーはトウモロコシの数百倍で、下水からも培養でき、「夢の藻」として期待が高まっています。

こうした新エネルギーの開発に積極的に投資することで、沖縄のエネルギー問題を解決しつつ、雇用や富を生み出していくべきです。

また、久米島、伊平屋、伊是名沖では、日本最大級の海底熱水鉱床が発見され、金や銀、銅やレアメタルなどの採取に成功しています。この分野でも、産学官の連携を強化し、海洋資源を活用した産業を興したい。

沖縄にはまだまだ多くの「宝」が眠っているのです。県民一人ひとりが知恵を出し合い、勤勉に努力することで、大きく発展できると確信しています。

「日本国民としての誇りと責任を取り戻す」

幸福実現党 沖縄第3選挙区支部長
金城 タツロー

金城 タツロー

プロフィール

(きんじょう・たつろう)1964年那覇市生まれ。沖縄国際大学卒。沖縄気象台に勤務後、幸福の科学に奉職。野球やバレーなどの球技が好きで、ギターもたしなむ。

琉球王朝の王城であった首里城には、中国の清の皇帝が琉球国王に与えた金印が展示されています。つまみの部分はラクダの形をしていますが、これは元の時代にチベットに与えたものと同じデザイン。つまり、中国に臣下の礼をとっている国の中で、琉球とチベットは同ランクだったということです。

中国共産党軍はチベットに侵攻した際、すさまじい虐殺を行いました。市民、僧侶への暴行、女性への乱暴。親の前で子を殺し、子の前で親を殺す。現在でもチベットの人々は中国から弾圧され、国際社会に訴えるために僧侶が焼身自殺を行っています。私は、沖縄にチベットと同じ道をたどってほしくはありません。

国際法を無視する中国

「中国は危険ではない」と言う方もいます。「もし中国が尖閣諸島を占領したりすれば、国際的な問題になる。だから、中国はそんなことはできないはずだ」というのです。

ですが、中国は国際法を平気で無視する国です。南シナ海で人工島を建設し領有権を主張する中国に対し、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は中国の主張を否定する判決を下しました。しかし、中国はこの判決を気にも留めず、むしろ公然と批判すらしています。国際社会が守ってくれるというのは幻想です。自分の国は自分で守らねばなりません。

県民の命を守る選択を

米軍の普天間基地の辺野古移設に対して、翁長雄志・沖縄県知事は「新基地反対」と言っていますが、そもそも「新基地」ではなく、すでにある基地の移設です。辺野古へ移設することで、普天間の住民の負担は軽くなります。「言葉遊び」で県民の感情を弄んではなりません。県民の命を守るため、沖縄を中国の侵略から守るため、辺野古移設は必要です。

私は53年の人生のうち、50年以上を沖縄で過ごしてきました。沖縄を愛しているからこそ、沖縄県民一人ひとりに、日本国民としての誇りと責任を取り戻してほしい。2009年に幸福実現党が立党して以来、沖縄で国防を訴え続けてきました。これからもブレずに一直線! 他国に沖縄を侵略させたりはしません。絶対に、沖縄を守ります。

「国際文化都市・沖縄からアジアの融和を目指す」

幸福実現党 沖縄第4選挙区支部長
富川 やすまさ

富川 やすまさ

プロフィール

(とみかわ・やすまさ)1979年那覇市生まれ。石垣島で幼少期を過ごす。中央大学法学部を卒業後、幸福の科学に奉職。好きなことは、スポーツ、映像制作、旅。

沖縄の素晴らしい文化をもっと世界に発信したいです。経済産業省に指定された沖縄の「伝統的工芸品」の数は、全国でトップレベル。伝統芸能の組踊はユネスコ無形文化遺産に登録され、芸能人やアーティストも多数輩出するなど、沖縄には豊かな文化土壌があります。

また、「チャンプルー文化」と表現されるように、沖縄には多種多様な文化を柔軟に受け入れ、成熟させてきた歴史があります。沖縄は世界の文化交流を促進し、さらに新たな文化を創造する可能性を秘めているのです。

こうした「融和」の素地を持つ沖縄は、文化芸能というソフト面からアジアを結ぶことができるはずです。

交通インフラの拡充

沖縄本島の中東部では国際会議などができる大型施設の建設計画も進んでいますが、ここをぜひ国際文化交流の拠点にしたい。そのためには、交通インフラを整える必要があります。那覇空港をハブ化し、本島、離島、本土、海外を結び、海運も充実させます。さらに、慢性的な渋滞を解消するために、地下道路や高層道路をつくるべきです。これは沖縄の経済活性化にも不可欠です。

宮古島市の下地島にも空港がありますが、ここも、国際線や格安航空会社の就航などを推進し、有効活用します。

過去の痛みを乗り越える

沖縄は国防の要だと言われますが、中国の空母が宮古海峡を通過し、軍用機が宮古島の領空近くを往復するなど、挑発行為は止みません。尖閣諸島沖での領海侵入は言わずもがなです。本島および離島への、自衛隊配備の強化が必要です。

先の大戦の記憶から、軍事力を拒絶する方もいます。私の祖父も沖縄戦で戦い、命を落としました。県民が負った心の傷は深かったでしょう。

しかし、本土や政府への恨み心で沖縄の未来を拓くことはできません。沖縄戦でも、数多くの内地の兵士が県民を守るために奮闘し、戦艦大和も沖縄を守るため、3千人を乗せて出陣しました。

沖縄が発展し、真に世界の平和に貢献するには、過去の痛みを乗り越える必要があります。真実の歴史を訴えていきます。