《本記事のポイント》
- 北朝鮮がホワイトハウス爆破のプロパガンダビデオを公開
- アメリカを焚き付けるだけということが、北朝鮮にはわからない?
- 映像が現実になる前に北朝鮮問題解決に動くトランプ大統領は正しい
北朝鮮のプロパガンダビデオが、北朝鮮の団体「アリラン協会」が運営するウェブサイト「メアリ」で公開され、YouTubeでも58万回以上視聴されている。
映像は、崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党副委員長の「アメリカが挑発を仕掛ければ、核戦争には核攻撃で対応する」という言葉と、タイムリミットは近づいていると言わんばかりの秒針音ではじまる。
崔氏の演説後、壮大な音楽とともに、カール・ヴィンソンと思われる米空母や航空機に照準が合わせられる。北朝鮮軍の戦車や砲弾が飛ぶシーンが続き、クライマックスには北朝鮮の大陸間弾道ミサイルが発射され、ホワイトハウスが破壊される。
冒頭の崔氏の演説は、4月15日の金日成生誕105周年記念日に行われた軍事パレードのときのものだ。
この映像に対し、「"可愛らしい"ビデオだ」「ハイビジョンで映像をつくる技術がないのか」と映像をネタとして受け止めるコメントが多かった。たしかに、ホワイトハウス爆破のシーンは滑稽ではある。また、コメントの中には、北朝鮮のイメージダウンになるだけだからか、アメリカ側が流したのではという憶測もあったほどだ。
映像を公開した意図は?
この映像を公開した北朝鮮の意図は何だろうか。北朝鮮の民間団体が映像を公開したことにはなっているが、そこは全体主義国家。政府と一体だと見て間違いない。
映像内のテロップには、ハングルで「敵(アメリカ)が侵略への第一歩を踏み出す瞬間、我々は核とミサイル技術で世界をリードする強力な国であることを示す」と書かれている。海外の情報が遮断されている北朝鮮国民から見れば、この映像とテロップから、北朝鮮がアメリカと対等になったと感じるかもしれない。また、北朝鮮の発展も感じられ、愛国心や士気が高まる面もあるだろう。
この映像は、アメリカの象徴であるホワイトハウスが破壊される衝撃のエンディングとなっている。日本人から見ると、アメリカを焚き付けているようにしか見えない。北朝鮮は、この映像でアメリカが恐れをなして弱腰になるとでも思っているのだろうか。
民主主義国家であるアメリカの行政は、個別の事情はあるものの、大筋では国民の意志が反映される。アメリカ国民が、自国への攻撃を目指す北朝鮮への攻撃を妥当と思えば、アメリカ政府は北朝鮮への攻撃が容易になるということだ。北朝鮮は、それがさっぱりわからないらしい。
また北朝鮮の近代兵器能力を誇示する意図だったとしても、視聴者のコメントから、それが失敗に終わったことは明らかだ。
北朝鮮問題解決に動くトランプは正しい
いずれにしても、北朝鮮が、アメリカ本土、特にホワイトハウスを攻撃したいと思っていることは確かだ。今だから笑って済ますことができるが、このまま北朝鮮を放っておけば、いつかイメージ映像を現実化する技術を手に入れるだろう。
国民や世界の安全を守るために北朝鮮問題の解決に動いているトランプ米大統領は、正しいといえる。
(HS政経塾、山本慈)
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