7日付けウォール・ストリート・ジャーナルが日本の大相撲八百長発覚について、キツイ皮肉の効いた記事を掲載している。タイトルは「相撲の危機:伝統競技がテキスト・メッセージにハメられた」。骨子を紹介すると、

・日本で最も古式ゆかしいこの競技を担う力士たちのうち、今回の件に関わっているとされる者たちは、現代社会においてトラブルを避けるための一番基本的なルールを無視した。すなわち「電子的な痕跡を残すな(don't leave an electronic trail )」。

・彼らは、ニューヨーク州検事を務めたエリオット・スピッツァーが法律を犯そうとする者たちに対する警告のかたちでまとめた、こんなアドバイスにも従わなかった。「うなずけば済む場合は、絶対、声を出して話すな。ウィンクすれば済む場合は、絶対うなずくな。Eメールは絶対に出すな。出せば死を意味する。検察官に必要な証拠を提出しているのと同じだ」

要するに、八百長にかかわったとされる力士たちが携帯メールでやりとりしていたことが、インテリジェンス(情報戦)のイロハからして、いかに脇が甘かったかを皮肉っているわけである。日本人は一般にインテリジェンス面が甘いが、古いしきたりの強い各界の力士たちだから、よけいに現代の常識に疎かったらしいと言いたいようだ。

連日世界のメディアを騒がせているチュニジアやエジプトの動乱も、フェイスブック等、IT技術の影響が大きかったことが指摘されている。古い政治体制も、古い体質の伝統競技に潜む闇も、ITの普及に基づく「情報」の力で、ついに破られたといえそうだ。(T)

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