コンビニスイーツの躍進が止まらない。
2015年度のスイーツ市場は、前年から1.1%増の2兆1634億円だった。比率は、量販店が35.7%、コンビニエンスストアが22.4%、百貨店が18.9%と続く。なかでもコンビニエンスストアの市場規模は14年度比3.8%増と拡大している。(矢野経済研究所調べ)
2009年にローソンが発売したプレミアムロールケーキが大ヒットしてから、「コンビニスイーツ」という言葉が広く認知されるようになった。本格的なスイーツを、コンビニで手軽に購入できるようになったことで、新しい市場が広がったといえる。
今、各コンビニはしのぎを削って独自のスイーツ開発に力を入れている。どのコンビニチェーンも毎週数品は、新商品を投入しているという。短いもので2か月、長いと半年以上かけて、味や見た目、コスト等が検証されてようやく商品化され、店頭に並ぶ。私たちが目にする新商品は、消費者によいものを届けようとする、開発担当者の汗と涙の結晶である。
一方、専門店からは悲鳴が上がっている。
街の小さなケーキ店から老舗洋菓子店までが、店を畳むことを余儀なくされている。神戸の大手老舗洋菓子店だったフーケも、2014年に突然倒産し、多くの人を驚かせた。
経済産業省の2015年の統計によれば、菓子製造小売業(和菓子も含む)は2万2940カ所。7年前に行われた前回調査では、3万201カ所だった。つまり、7年の間で約4分の3に減っているのだ。コンビニスイーツ市場は広がったが、スイーツ専門店は苦境に追い込まれていることがわかる。
幸福の科学グループの大川隆法総裁は、著書『危機突破の社長学』で次のように語っている。
「 民営化や市場競争があるのはよいことではないでしょうか。《中略》同業で競争してくれるものがあることで『サービス合戦』が行われ、それによってよくなる場合もあります 」
競争が激化すれば倒産する店も出てくる。関係者にとっては悲しくてつらいことには違いない。だが、そうかといって競争をまったくなくしてしまえば、イノベーションも起こらなくなってしまう。
競争相手がいることで、それぞれの店が「お客様のほしがるものをつくろう」と切磋琢磨し、商品やサービスの改良が進む。それを繰り返すことで、業界全体が発展していくのではないだろうか。
幸せを運んできてくれる、あまーいお菓子の裏には、経営者や商品開発に携わった人たちの涙ぐましい努力と、お客様への真心が隠れている。(三)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『危機突破の社長学 一倉定の「厳しさの経営学」入門』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1266
幸福の科学出版 『常勝の法 人生の勝負に勝つ成功法則』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=144
【関連記事】
2014年5月号 【第2部】確実に売れるマイクロヒット戦略 - 消費税8%を迎え撃て! - 超実践編