本誌は兼ねてから、日本の農業は技術力が非常に高く、輸出産業・成長産業に転換させることは十分可能であり、そのためには戸別所得補償などの補助金農政より「規制緩和」こそ必要だと論じてきた。週刊ポスト2月11日号が、そんな論調をなぞるかのような記事を掲載している。

記事では、本誌2月号のインタビュー記事にも登場した有限会社「新鮮組」代表取締役の岡本重明氏のこんなコメントを載せている。「現在の農業政策は、やる気のない農家を守り、生産性を上げようと努力する農家を妨害している。農協組織はそうした歪みの象徴といえます。日本の農業技術は世界一の水準です。その財産を生かすためにも、農協以外の販路や、外国人の雇用拡大を認めるなど、大胆な規制緩和が必要です」

岡本氏は本誌2月号ではこうも話していた。「農作物の貿易は自由化すべきですが、農協を通さないと取引できない現状のままでは勝ち目がありません。農家が自由に取引先を見つけられるように規制緩和すべきです。これには政府の予算など必要ありません」

農政の各論は複雑だが、問題の本質は、「国の補助金や農協による規制で守られた農業は個々の農家にとって優しいようでも、日本の農業を全体として駄目にする。やる気のある農家が起業家精神を発揮して伸びていけるよう自由化することこそ、繁栄への道だ」ということだろう。一見子供に優しい「ゆとり教育」が学力低下を招いたように、農家に優しい「ゆとり農政」が日本の「農業力低下」をもたらしていることを、関係者は早く気付くべきだ。(T)

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