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ブラジル・リオデジャネイロオリンピックが5日、開幕した。
21日までの17日間に28競技、306種目が行われる。史上最多となる205の国と地域のほか、今回初めて結成された、シリアとアフリカの3カ国から計10人の選手が難民選手団として参加している。
開幕翌日の6日、競泳男子400メートル個人メドレーが行われ、萩野公介選手が日本新記録の4分6秒05で優勝し、日本勢で今大会初の金メダルを獲得した。
今回、日本オリンピック委員会(JOC)が設定した金メダル獲得目標は、前回のロンドン五輪から倍増となる「14個」。他種目でも、日本から出場している338選手が、日頃の訓練の成果を存分に発揮することを期待したい。
政治と経済の苦境の中での開催
歴史的に五輪は「平和の祭典」といわれ、五輪期間中、いかなる戦争・紛争も停止するという国際的ルールもあるほどだ。
また五輪は、「経済発展のチャンス」でもある。日本でも、1964年の東京オリンピック開催時、競技施設や日本国内の交通網の整備に多額の投資が行われた。カラー放送を見るために、テレビ購入などの消費も飛躍的に増えたため、日本経済に「オリンピック景気」といわれる好景気をもたらした。
しかし今回のリオ五輪は、政治と経済の苦境の中での開催となった。
ブラジルのルセフ大統領は現在、国家会計を粉飾した疑いで弾劾裁判にかけられ職務停止に追い込まれたため、五輪の晴れ舞台には欠席。代わりにテメル大統領代行がリオ五輪開会を宣言したが、一部の観客から痛烈なブーイングが浴びせられた。国民の政治不信を象徴する出来事となった。
ブラジル経済は「火の車」 高まる国民の不満
ブラジルでは、近年の経済不況に伴い、失業者が増大し、貧富の差が拡大している。2010年には過去24年間で最高となる7.5%の成長を遂げたものの、15年は前年比3.8%のマイナス成長に転じた。
多額の費用がかかる五輪への反発も強く、会場近くでは開催に反対する市民が連日デモを起こしている。彼らは「五輪よりも社会福祉を充実させろ」「公務員の給料も支払われていない」などと抗議しており、治安部隊との衝突が相次いでいる。
「地獄へようこそ」 治安の悪さは世界最低!?
リオ五輪の開幕は迎えられたものの、選手村の工事のずさんさ、感染症のジカ熱の蔓延など、問題は山積している。中でも特に窃盗や殺人の増加で、深刻な治安悪化が懸念されている。
犯罪を取り締まる警察も、ブラジル経済低迷による予算削減の対象となっている。五輪開幕1カ月前の7月4日、リオの国際空港では警察官らが「地獄へようこそ」と書かれた横断幕を掲げ、給与未払いの現状に抗議し、観光客を驚かせた。安月給を補うために、警察官の立場を利用して犯罪に加担する人も後を絶たないという。テロ対策以前に、治安維持もままならない状態だ。
まずはリオ・オリンピックが無事に、成功を収めて終わることを祈りたい。
悩ましいブラジルの治安の問題について、大川隆法・幸福の科学総裁は2010年、ブラジルを訪れて行った講演会の中で、次のように語っていた。
「 『自分が人に殺されたくないのなら、人を殺すなかれ』『自分が人に盗まれたくなかったら、人のものを盗むなかれ』ということです。これがゴールデンルールであり、基本なのです。そうした基本的なことが、日常生活のなかで、当たり前の道徳として実践されるようにしなければいけません 」
大統領の粉飾疑惑や警察官の不正、そして貧しさから起きる犯罪は、国の発展を阻害してしまう。自分だけが得をしようとするのではなく、世のため、人のために誠実に働こうとする国民で国を満たすことが経済発展への近道だ。
経済成長がオリンピック成功の要
リオの次は2020年の東京オリンピック。リオの様子を見るにつけても、日本の安全性や、整ったインフラ設備などの価値を改めて実感する日本人は多いだろう。
世界が注目する五輪を成功させ、日本の良さを世界にPRし、さらなる発展の機会とできるかどうかは、日本の国民次第だ。そのためにも、消費税の減税やさまざまな規制緩和を通して、日本経済を成長の軌道に乗せる必要がある。
(小林真由美)
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