2016年8月号記事
参院選・特別版
特別編
釈量子の志士奮迅
幸福実現党党首
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
真の争点は「バラマキノミクス」
「票のためのバラまき合戦」
参院選における各党の政策を見ると、そう思わずにはいられません。
共産党、民進党以下のリベラル政党が社会保障重視の政策を並べるのは分かります。しかし自民党まで、そっくり同じようなバラまき政策を並べる姿には、失望を禁じえません。
参院選の争点とすべきは、「アベノミクスの是非」ではありません。今問うべきは、与野党ともに陥っている「バラまきと増税」の是非です。
英国を蝕んだバラまきの麻薬
バラまきという麻薬は、国民性を変え、国家を衰退させる威力を持ちます。
イギリスでは19世紀、「天は自ら助くるものを助く」で有名なスマイルズの『自助論』が大ブレイク。夢中で読み、実践した人々が、産業革命を支えました。
ところが第二次大戦後、社会主義のアトリー労働党政権が誕生。英国民は「ゆりかごから墓場まで」という強度のバラまきの誘惑に負け、税というツケで経済を衰退させていきました。
日本の税は「五公五民」
日本でも、同じことが起きつつあります。
幕末にイギリスへ留学した中村正直が『自助論』を読み、「これぞイギリス繁栄の秘密」と感激し、日本で出版。共感した日本人は夜に日を継いで働き、日本を欧米列強に伍する近代国家に押し上げました。
しかし、150年近く経った今、選挙戦の街頭演説を聞いても、バラまき政策が目白押し。そのツケは必ず、私たちに返ってきます。今や税金と、年金や医療、介護といった社会保障を合わせた国民負担率は、ここ数年激増。昭和時代は20%台だったのが、今や43.4%にも及びます。江戸時代の「五公五民」に戻りつつあるのです。
2014年に「社会保障の充実」を謳い消費税を上げた途端、日本経済の約6割を占める個人消費が一気に冷え込み、経済が低迷しました。追い打ちをかけるように、2019年には消費税はさらに10%に上がります。
国民は、もう限界です。際限のない増税で奪われた富は、選挙対策として、特定業界への補助金などとして流れていきました。その蓄積が、自民党の借金1千兆円の正体です。
舛添要一・元東京都知事を数百万円で袋叩きにする一方で、なぜ、政府が税金を使って票の買収をすることに誰も声を上げないのでしょうか。
参院選の真の争点
幸福実現党は2009年から一貫して、バラまきとセットの消費増税に反対していました。「バラまきの否定は選挙に不利だ」と言われました。しかし私たちは、明治時代に世界を驚嘆させた、日本人の自助努力の遺伝子を信じてきました。
7年前、衆院選に出馬した大川隆法・幸福実現党総裁は、政見放送でこう訴えました。
「皆様方の選択は二つに一つです。『大きな政府』を選ぶか、『小さな政府』を選ぶか、どっちかです。(中略)自民党においても民主党(当時)においても、先行きは大きな政府になります。(中略)その結果、財政再建は遠のいていきます」
7年経った今、私たちは政府のバラまきと、消費税の破壊力を目の当たりにしました。そして、改めてこの問いの前に立っています。増税とバラまきの国か、減税と経済成長の国か―。
参院選でも、私たちは再び、バラまきではなく、消費税を5%に戻すことを訴えます。爆発的な消費景気を起こし、国民の皆様に、もっと儲けていただきたい。その結果として、所得税や法人税の税収を増やし、財政再建に向かうべきです。
愛してるから、黙ってられない―。この夏も日本の繁栄ため、全身全霊で戦って参ります。