北京で25日、約20人のウイグル人によるデモ行進が行なわれた。26日付け産経新聞によると、デモに参加したウイグル人たちは、親族が冤罪で投獄され、財産が不当に没収されたなど、地方政府や警察当局とトラブルを抱えている人たち。今回は潘基文国連総長宛ての直訴文を国連スタッフに渡そうとしたが警察隊に阻止された。

中国の新疆ウイグル自治区は、元々東トルキスタンという独立国だったが、1955年に中国の自治区に編入された。本誌3月号(1月29日発売)記事「国が滅ぶ理由」で、世界ウイグル会議日本全権代表のイリハム・マハムティ氏はインタビューに答えて、こう言う。

「ウイグルでは45年以降、中国によって独立運動のリーダーや宗教指導者、知識人などが、でたらめな理由で逮捕・処刑されたり、行方不明になり、全体で160万人以上が殺されたと言われます。さらに、自治区内に建てられた核施設では、これまでに46回の核実験が行なわれ、ウイグル人19万人が亡くなり、今でも129万人が健康被害で苦しんでいます」

国を失えば、人間の尊厳も人権も失うという厳しい現実が浮き彫りになる話だ。ウイグル自治区への強制送還や収監される危険を冒してでも、デモに立ち上げる人が絶えないところに、この問題がウイグル人たちに与えた深い傷跡が見えるようだ。(村)

*現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。ザ・リバティwebの購読者にはニュースクリップをメールでも配信しております。