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舛添要一・東京都知事の「公私混同問題」を受け、自民党は14日、都議会に不信任決議案を提出することを決めた。

一方、舛添氏は、都知事選挙と8月のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックの時期が重なることを懸念し、「どうか少しの猶予をいただけないか」と訴えた。

「政治資金が適切に使われているか」のチェックは重要だ。しかし、舛添氏の進退問題は、本当に「都民の利益」という観点で議論されているのだろうか。

舛添氏に「違法性」はない

そもそも舛添氏は、法律違反に当たるようなことはしていない。

「政治資金規正法」では、政治資金の収支報告書を提出することが求められている。一件につき5万円以上の支出、国会議員に関係する政治団体においては1万円以上の支出があった際には、明細の記載と領収書の写しを提出しなければならない。

今回、舛添氏は使用した資金内容を明確にしている。また同法は、政治資金の使用用途についての規定は設けていない。

メディアや政治家が舛添氏を批判する基準は、「庶民感覚から見てどうですか?」という程度のものだ。

メディア・政治家のバランスを欠いた議論

もちろん、「庶民感覚」は重要であり、舛添氏の資金の使い方が、100%正当化されるというわけではない。

しかし、それだけで政治家の資質を判断することは、バランスを欠いているのではないか。本来、考えるべきは「東京都民を幸福に出来るのか」ということ。こうした「総合点」に関する議論が、マスコミにしても、政治家にしても、少なすぎる。

実際、舛添氏は、厚労相時代に医学部の定員数を増やすなど、医療サービスに関しての実績を残してきた。一定の実力はあるはずだ。

また、「東京五輪の国立競技場問題に関して、巨額の税金を節約した」という見方もあり得る。その額は、今回指摘されている政治資金の額とは比べ物にならない。

舛添氏への辞任論で得する人たち

田中角栄元首相のように、お金の使い方に疑問があっても、国民に多くの富をもたらした政治家もいる。一方、何も富を生まないバラマキで、合法的に票を買収しているように見える政治家もいる。

感情論に流されず、「比較考量したときに、何が都民の利益になるか」という議論をした上で、「政治家の資質」は考える必要がある。

舛添氏への攻撃が、マスコミや、選挙前に国民の不満をそらしたい政治家の利益で終わらないことを祈りたい。(志)

【関連書籍】

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