北朝鮮がこのほど、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に成功したと発表した。SLBMは30kmしか飛ばなかったため、韓国軍は実験を「失敗」と判断している。しかし、たとえ失敗であったとしても、北朝鮮の軍事力が急速に向上していることは確かだ。

SLBMは水中の潜水艦から発射するため、レーダーなどで場所の特定がしづらく、発射を事前に探知するのが難しい。よって、たとえ自国が核攻撃を受けても、SLBMがあればどこからでも秘密裏に反撃をすることができる。通常のミサイルよりも危険度が高いのだ。

日本は本格的に、安保法制や核装備を必要とする状況になっていると言える。

米軍に頼っていればいい?

北朝鮮の核兵器に狙われれば、今の日本では対抗することができない。迎撃用のパトリオットミサイル(PAC3)があるが、これは20kmから30kmまでしか撃ち落とすことができず、また、全国に配備されているわけでもない。今年の2月に沖縄の上空を通過した北朝鮮のミサイルは、500kmもの高度を飛んだ。日本をミサイルから守る最後の砦とされるPAC3だが、これではあまりにも頼りない。

これまで、日本人は米軍が日本を守ってくれると考えてきた。しかし、アメリカが自国に核ミサイルを撃たれるリスクを負ってまで、日本を守ってくれるとは限らない。集団的自衛権に反対の論調も少なくない中で、困ったときだけアメリカを頼ればいいというのは都合が良すぎるだろう。

冷静な目で判断を

北朝鮮も、核ミサイルを撃ち返されるリスクを考えて、まず核を持たない日本などを狙う可能性は高いだろう。核を持つことは北朝鮮に対する抑止力となる。むしろ、核を持たないことで北朝鮮の暴走を許せば、数百万、数千万単位の人命が失われてしまう。

このような状況でありながら、野党や一部のマスコミは、いまだに安保法制の廃止を訴えている。日本人の命が大事だと思うのなら、ただ感情的に政府を批判するのではなく、他国が現実にどのような動きをみせているか知った上で、何が正しいのかを冷静な目で判断する必要がある。(志)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『北朝鮮・金正恩はなぜ「水爆実験」をしたのか』 大川隆法著

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