2016年3月号記事

「下町ロケット」「半沢直樹」になぜハマるのか

空気に流されない生き方

「下町ロケット」や「半沢直樹」で、言うべきことを言い切る主人公たちの姿は、ついつい「空気」に流される多くの日本人の理想像ではないか。しかし、時には、自らの信ずる「正義」を貫き、行動しなければならない。日本人よ、KYを恐れず立ち上がれ!

正義の法

大川隆法・幸福の科学総裁の著作『正義の法』では、「何が正義か」について価値判断を避けがちな日本人の問題が取り上げられている。今後の世界の「正義」を考える上でも重要な一書だ。


contents


首相もトヨタもAKBも

謝罪大国ニッポン

なぜ日本人は謝罪したがるのか?

テレビで毎日のように流れる謝罪会見。これほど謝罪好きな国はないだろう。だが、これは日本人にしか通用しない「常識」ではないか。

(編集部 山本慧)

謝罪ビジネスが広まる奇妙な国

危機管理コンサルタント

謝罪会見の一挙手一投足が、会社のイメージや株価を左右する。そんな一大事に活躍するのが「危機管理コンサルタント」。

コンサルタントが、会見出席者のお辞儀の角度や言葉遣いなどを指南し、会社の危機を救うというものだ。顧問料は数千万円に上る例もあるほど。

謝罪代行会社

顧客からのクレームに向き合いたくないのは誰しも同じ。しかし、ここは謝罪大国・日本。クレーム対応などを代わりに行う「謝罪代行会社」が存在する。

例えば、面接での謝罪代行は基本料金で2万5千円~、電話対応は1万円から依頼できるという。俳優・阿部サダヲの主演映画「謝罪の王様」でも題材になった。

切腹最中

おわびの手土産はどうすべきか。そんな悩みに応える商品がある。東京・新橋に店を構える新正堂。この店では、「切腹最中」を販売しており、自らの誠意を形に示すことができるのだとか。

「誤解を招くような大変、軽率な行為だった」

テレビCMを10本抱える人気タレントのベッキーが、1月6日、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音との不倫疑惑で謝罪した。

ベッキーは「スキャンダルから縁遠い」というイメージがあっただけに、疑惑報道は世間を驚かせた。

こうした謝罪会見があるたび、マスコミは大騒ぎする。昨年は、傾いたマンションのデータ偽装や、マクドナルドで起きた異物混入、東京オリンピックのエンブレム撤回など、謝罪が相次いだ1年だった。

昨年末は謝罪外交で幕

とはいえ、謝罪のオンパレードはテレビや新聞の中だけの話ではない。「すみません」が口癖の"謝罪過多の国民性"を持つ日本人には、「謝罪は当然」という思い込みがある。

その「謝罪文化」を国家的なレベルで展開しているのが、慰安婦問題などゆがんだ歴史認識に基づく謝罪外交だ。日本政府は昨年末に、慰安婦問題の最終的な解決を目指して、韓国人元慰安婦に対し、10億円を拠出することを決めた(右写真)。

だが、多くの歴史学者が証明しているように、「日本軍が慰安婦を性奴隷にした」という事実はない。慰安婦問題は、日本を悪者にしてお金をむしり取るための政治宣伝に過ぎない。

にもかかわらず安倍晋三首相は、そうした事実を無視して、韓国に謝罪。「おわび」という間接的な表現にとどめたのも、日本的な妥協の姿勢がうかがえる。

韓国の政治宣伝を否定せず謝罪したことは、「日本軍は慰安婦を性奴隷にした」と認めたのに等しい。これによって海外に誤った見方を広め、国益を損ねてしまった。

なぜ日本人は、言うべきことを言わずに、事実を曲げてまでも謝罪するのか。

次ページからのポイント

海外は安易な謝罪を避ける

ムラ社会的な発想

なぜ謝らされたのか? 謝罪文化が本質をくもらせる