2015年11月号記事
編集長コラム Monthly Column
Webバージョン
「分断の時代」がやって来た
――人・モノ・お金の循環を拡大させる大国・日本の役割
中国の上海株式市場のバブルが2015年6月に崩壊し、それが世界同時株安に波及している。果たしてどこまで影響が広がるのだろうか。「中国の今年上半期の輸入は約15%減少した。リーマンショック後の2009年にも、アメリカの輸入は15%減少したから、同じレベルの不況が来る」と予測する経済学者もいる。
こうしたバブル崩壊がしばしば起きるのは、世界的な「金余り」だからだ。実物経済の何十倍ものマネーが、いい投資先を探して世界の市場に出たり入ったりしている。金融市場には「バブル崩壊10年周期説」があるそうで、確かに1987年のブラックマンデー、97年のアジア通貨危機、2007年のサブプライム危機ときっちり10年を刻んできた。だから、「中国バブル崩壊はまだ序の口にすぎない」という説を唱える識者もいる。