2015年11月号記事
「0葬」ガチンコ対談
『0葬』『自然葬のススメ』などの著作で知られる宗教学者の島田裕巳氏と、本誌編集長が2011年12月号に続いて2度目のガチンコ対談。今回は、「葬式は本当に要らないのか」をテーマに、島田氏が「0葬」の真意、そして自身の守護霊について語った。
contents
「0葬」だと、あの世も仏もないのかと誤解を生みますよ
本誌編集長
綾織次郎
(あやおり・じろう)1968年鹿児島県生まれ。一橋大学社会学部卒。産経新聞社を経て、2001年に幸福の科学に入局。著作に『「奇跡」の日本近代史』(HSU出版会)。
「0葬」は執着がないってことですよ
宗教学者
島田裕巳
(しまだ・ひろみ)1953年東京都生まれ。宗教学者・文筆家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。『0葬』(集英社)、『自然葬のススメ』(徳間書店)など著書多数。
島田(以下、島) 懐かしいね。シリーズでやってるでしょ、ガチンコ(注3)。
綾織(以下、綾) それぞれの言い分が分かりやすいようです。
島 幸福の科学らしいよね。他の教団でやらないじゃない。こんなの絶対ありえないでしょ、今。
(注3)2011年12月号「『霊言』をめぐるガチンコ“神学論争"」で、島田氏と綾織編集長が対談。その他にも、中村うさぎさんや光永覚道大阿闍梨など、本誌の主張と異なる立場の識者との対談を続けている。
「長生きできれば極楽往生ですよ」
島 まずは、幸福の科学の死生観や、葬式をどう考えているのか、教えていただきたい。
綾 正統な仏教の考えとそんなに変わるものではないですね。 あの世へ旅立っていくことが死です。葬式は、亡くなった方が執着を取り去って、あの世へ旅立つ重要な機会になるというのが基本的な考えです。
島 「葬式は要らない」と言った場合ね、葬式自体じゃなくて、お坊さんが来る葬式をイメージする人が結構多いんです。
綾 葬式はやるんだと。それは家族葬、友人葬ということですね。
島 それらは葬式に入らないという考え方もあるようです。 お布施が必要で、戒名料も払わなければならない葬式は要らないという感覚を持っている人は多い。
綾 著書で「今の時代、70歳、80歳、時には90歳まで生きると、もう地獄に行くようなものではない。天国に行くだろうからいいじゃないか」とおっしゃっていました。
島 80、90歳まで生きて往生できないんだったら、その人の人生は何なの? 昔はそこまで生きられなかったから、供養の必要性が出てきたわけですね。 でも、生き切ってしまった人に関しては、別に供養は必要ないんじゃないかと。
「0葬」ガチンコ対談 宗教学者・島田裕巳氏 × 本誌編集長・綾織次郎
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