中国の脅威を念頭に、フィリピンがアメリカとの関係強化に動いている。14日にマニラで行われた両国間の協議では、米軍のフィリピンへの立ち寄り頻度を増やすため、新しい軍事協定を年内にも策定することで合意した。

フィリピン政府は、米軍のかつての拠点だったスービック海軍基地を自国軍の基地として再整備し、同盟国に使用を許可することも検討している模様だ。

米軍はかつてクラーク空軍基地とスービック海軍基地を拠点としてフィリピンに駐留していたが、冷戦終結後に反米運動が高まったことを受けて、1992年に撤収した。しかし、90年代後半から中国が南シナ海での活動を活発化させ、領土問題などで周辺国を威圧し始めたことを受け、フィリピンはアメリカとの関係再強化へと動いている。

「アジア・リバランス政策」を掲げ、中国を牽制するというのがオバマ米政策の方針だが、財政難から長期的に戦略が維持される保証はない。日本にとっては海上警備などで協力の余地がある上、フィリピン外相は「日本の再軍備を歓迎する」と明言している。集団的自衛権の行使容認などで協力の幅を増やし、アメリカとともに積極的にフィリピンとの関係強化を進めるべきだろう。

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