次世代エネルギーとして期待される核融合発電の実現に向け、産学協同研究が一歩前進した。

光産業創成大学院大(静岡県浜松市)は、浜松ホトニクスやトヨタ自動車との共同研究によって、レーザー核融合反応を「爆縮高速点火」による手法で100回連続して起こすことに成功したと発表した。効率良く大きな熱エネルギーを生み出す同手法での連続反応に成功したのは世界初。

この技術を応用すれば、小型で高出力な核融合発電が実現する可能性がある。その成果は、9日付米国物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」電子版にも掲載された。

レーザー核融合発電とは、海水に含まれる重水素と三重水素を混合した燃料に、高出力のレーザーを照射して核融合燃焼を起こし、そのエネルギーを発電に利用するもの。CO2を排出せず、原子力発電に比べ放射性廃棄物も極めて少ない。

ドラム缶1本の海水から約6グラムの重水素が得られ、これを核融合反応させれば、石油でドラム缶約250本分に相当するという、クリーンで効率的な「夢のエネルギー」である。

また、爆縮高速点火とは、レーザーで燃料を一度圧縮してから点火する手法で、開発されたレーザー連続照射装置により、核融合反応を毎秒1回のペースで連続的に起こすことができたという。レーザー装置の高出力化などが課題だが、実用化への道が見えてきた。

『震災復興への道』(大川隆法著)に収録された「地球物理学者・竹内均の霊言」では、次世代エネルギーをこう予測している。

「水には、質量数の大きい水素と結合したものがあるんです。そして、この重水素のところから分離するエネルギーが、きっと次なるエネルギー源になるのではないかと見ています。(中略)これが開発されると、海水から無限のエネルギーを取り出すことができるようになっていくはずですが、ただ、『二十一世紀中は、まだ原子力発電を完全には捨てられない』という感じを受けております」

迫りくるエネルギー危機をどう回避し乗り越えていくか。国内の原発がすべてストップしようとしている。昨夏だけでも9回、冬は16回もトラブル停止している火力発電頼みでは、今夏のピーク時の故障で電力需要が供給を上回ることも予想される。ベースロードである、通年稼働の原子力発電不足分をカバーしきれないからだ。

長期的には、国家プロジェクトとして核融合など次世代エネルギー開発に力を入れるとともに、短期的には、原発の再稼働と技術向上を推進すべきだろう。(善)

【関連記事】

2011年6月号記事 天上界復興構想会議(第4部)

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1867

2011年5月13日付本欄 次世代の重水素エネルギーが一歩前進 日本の核融合研究所

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1959

【関連書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『震災復興への道』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/detail/html/H7009.html