《本記事のポイント》
- コンビニ各社が進めるレジ袋の削減運動
- 環境保護の目的に沿わないレジ袋有料化の矛盾
- 発達した文明・経済を潰して原始化を促す環境左翼のウソ
ファミリーマートはこのほど、レジ袋有料化により8月の袋の辞退率が77%であったと発表した。セブンイレブンやローソンなども7月の辞退率は約75%だったと発表している。
日本フランチャイズチェーン協会は、2030年までにコンビニのレジ袋の辞退率を60%以上にする目標を掲げる。ファミマは7、8月の2カ月連続で達成。このままのペースでいけば、ファミマ全体のレジ袋の削減枚数は約23億枚になる見込みだという。
一方で、無料だったレジ袋に数円払い、エコバッグを購入しなければならない消費者は、エコというお題目のもと、痛みをグッと我慢している。
対応する企業側にもしわ寄せが行っている。接客業務の負担は増加し、面倒なやり取りに客が不快感を覚え、レジでのトラブルも増えたという。客がレジ袋の購入を避けるために商品の点数を減らすといった声も聞かれる。
レジ袋削減は本当に環境のため?
そんな負担の大きなレジ袋有料化だが、そもそも「プラスチックごみの削減」といった環境保護につながらないという指摘がなされている。
まず、レジ袋は自治体ごみのわずか0.4%で、海洋プラスチックごみの約0.3%しかない。だとすれば使用を制限したところで、極めて限定的な効果しか見込めない。それどころか、海洋プラごみの12.7%を占めるペットボトルの再利用先がなくなり、さらに海洋汚染を進めかねない。
また、レジ袋に多く使われるポリエチレンは石油精製時にできてしまう副産物。レジ袋の需要があるおかげで、むしろ資源を無駄にしない"エコ"な生産体制が実現されている。レジ袋の生産を止め、産業廃棄物としてポリエチレンが処分されてしまうことが、本当に環境保護になるのだろうか。
さらに、レジ袋は単に購入商品を入れるだけではなく、家庭ごみをまとめる際にも使用されている。実際、東京都をはじめ、レジ袋でごみを出すことができる地域もある。つまり、有料化しても、別途ごみをまとめるための市販のポリ袋などの需要が伸びるだけだ。
加えて、繰り返し使うエコバッグは、レジ袋に比べれば不衛生。新型コロナの感染拡大でアルコール消毒が徹底されるなど、これだけ清潔さを求められている中で、"エコ"となれば気にならなくなるのだろうか。
繰り返されてきた環境左翼のウソ
経済的デメリットも、そもそも環境保護に有効なのかも十分に議論されず、誰も文句が言えない空気のまま、この新制度は導入されてしまった。
「『行き過ぎた文明と、犠牲になる環境』という構図であれば、合理性に疑問符がついても、経済にダメージを与えてかまわない」。こう言わんばかりの「環境左翼」的ロジックが、日本には随所に見られる。
地球温暖化とCO2排出量との関係には、多くの異論が出ている。それにもかかわらず、多くの規制がつくられ、経済発展を妨げている。原発には不合理な「ゼロリスク」が求められ、近隣住民の不安を煽り、再稼働は遅れ、日本のエネルギー安全保障は危機に晒されている。
こうした「エコなら何でも正義」といった風潮には、もう少し冷静な目を向けたい。
(竹内光風)
【関連書籍】
『新しき繁栄の時代へ』
幸福の科学出版 大川隆法著
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