2020年8月号記事

新連載

Divine Economics

サプライサイド経済学の父 ラッファー博士

「神の経済学」の誕生前夜

Part 01

レーガン政権とトランプ政権で経済顧問を務め、アメリカの繁栄を築いたラッファー博士に、
減税が経済成長を促すというサプライサイド経済学誕生の秘話について語ってもらった。

(聞き手 長華子)

トランプ大統領の経済顧問

アーサー・B.ラッファー

プロフィール

1940年生まれ。イエール大学を卒業後、スタンフォード大学で博士号を取得。経済調査とコンサルティングのラッファー・アソシエーション会長。サプライサイド経済学の父。レーガノミクス、トランポノミクスを導いた。大統領選挙中よりトランプ氏の経済政策顧問を務める。著書に『増税が国を滅ぼす』(日経BP社)、『トランポノミクス』(幸福の科学出版)などがある。

──経済学に興味を持つようになったきっかけを教えて下さい。

ラッファー氏(以下、ラ): 私は1960年代、イエール大学で数学を専攻していました。ただ決してできのいい生徒とは言えず、成績も下の方。大学生活に限界を感じ、3年次にドイツのミュンヘン大学に留学しました。

数学の授業はイエール大学で履修済みだったので、何か他の課目はないか探してみることにしました。そこでマクロ経済学とミクロ経済学に初めて接することになったのです。

勉強を進めるうちに、現実の問題を解決できる経済学の面白さに気づき、イエールに戻ってから、専攻を数学から経済学に変えました。