写真:Ned Snowman / Shutterstock.com

『日本沈没』などで有名なSF作家・小松左京氏(1931~2011)の小説『復活の日』(1964年)が、改めて注目されている。生物兵器が漏れて世界に感染が拡大、人類のほとんどが死に絶えるという物語だ。1980年に映画化され、今年になってリバイバル上映された。

そこでの描写が、現在のコロナ禍と重なる部分が多く、ある意味で恐ろしい。

冬に漏れた殺人ウィルスは国際交通を通じて世界に拡大し、4月には全世界で大問題となった。それはまったく新しい型の「人類のほとんどが免疫性をもっていない新種のウィルス」である。

日本の新聞には「"チベットかぜ"で××名死亡」「各地で臨時休校」という記事が出始め、作中の厚生省はゴールデンウイーク中の外出について「人ごみは避けて」と要請した。

米国ではニューヨーク株式が暴落。オフィスの臨時閉鎖が相次ぎ、航空機の定期便の6割が休航する。全アメリカの機能が麻痺状態に陥っていく。

日本では5月、東京の朝のラッシュ時、人々は押し合わずにゆうゆうと列車に乗降できることに気づく。車内を見渡せば、「花びらのように白いマスクが点々と」見え、「誰かがはげしい咳をすれば、人々はうす気味わるそうに、横をむき、身をひく」のだった。

6月になると都内で5~6万の行き倒れ死体が放置され、国会で「異例の緊急事態に対する政府への特別権限付与」が可決される。商業航空路線は政府命令で全面停止。「チベットかぜ」の影響が少ない地方へ向かって「疎開」しようとする人々と、彼らを入れまいとする地方の人々の間に「小ぜりあい」が起きる……。

実際の日本ではコロナ被害は限定的であるが、政府の緊急事態宣言から自粛警察的動きまで、半世紀以上前に書かれたとは思えない生々しさだ。

コロナ禍の影響で、国際情勢が大きく変化している。米中間で戦争が起きるリスクもささやかれている。

大川隆法・幸福の科学総裁は、小松左京氏の死後、2015年に霊言を行った。そこで小松氏の霊は、「二十一世紀の戦争シナリオ」は、同氏の霊が知っているだけでも「百ぐらいはあります」と述べている。一方、日本人のいちばんポピュラーなシナリオは「何もしない」ことだと指摘する。戦争で攻められても何もせず、今までやってきたとおり、ずっとやっているのが日本なのだという(関連書籍参照)。

世界が中国のウィルス対策を非難している中で、未だに習近平国家主席の国賓訪日の可能性を捨てず、中立的な立場に立とうとする日本政府の現状は、まさに小松霊の指摘通り。日本は「脱中国依存」「国際正義の実現」という新たなシナリオを描いて、中国の世界支配に抵抗すべき時ではないか。(賀)

【関連書籍】

『SF作家 小松左京の霊言 「日本沈没」を回避するシナリオ』

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幸福の科学出版 大川隆法著

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