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《本記事のポイント》
- 新型コロナの感染拡大で、トランプ氏は国防生産法を発動し「自衛」に乗り出す
- アメリカでは、損害賠償請求を通じて、中国の責任を追及する動きが起きている
- 日本も中国の「人災」に対し、責任を追及すべき
新型コロナウィルスの感染拡大をめぐり、トランプ米大統領は18日に記者会見を開き、安全保障を理由に民間企業へ増産を要請する「国防生産法」を発動し、人工呼吸器や医療用マスクなどの提供を求める方針を示した。国家を挙げて、感染症への対策に乗り出す構えだ。
会見で印象深かった点は、トランプ氏が新型コロナについて、「中国で発生したのだから、非常に正確な用語だと思う」と発言したことだ。中国外務省の報道官が、米軍が自国にウィルスを持ち込んだ可能性に触れたことに関し、「我々の軍隊がウィルスを中国に持ち込んだという偏見が生まれる」と否定した。
トランプ氏は17日にも「中国ウィルス」と指摘するなど、責任の所在は中国にあることを強調し始めている。これに対し、中国外務省の耿爽(こう・そう)副報道局長は「ウィルスと中国を関連づけることに断固反対する」と反発している。
アメリカでは中国に損害賠償を求める動きも
トランプ氏だけでなく、アメリカでは、中国の責任を追及する動きが起きている。
共和党のジョシュ・ホーリー上院議員は、自身のツイッターで「中国共産党が世界各国にウィルスを蔓延させた経緯について、国際調査が必要だ。共産党は、自身が解き放ったパニックで被害を受けた他国に対し、賠償しなければいけない」との考えを示した。
さらに米法律事務所バーマン・ロー・グループはこのほど、中国当局などを相手取る集団訴訟を提起。当局による対応の誤りで感染が世界に広がったとして、数十億ドル規模の損害賠償を求める。中国側が賠償に応じなければ、アメリカ国内にある中国当局の資産を凍結するなどの措置を取るという。
一方の日本では、中国に対する責任追及や、感染症の原因を究明する動きが後退している。中国政府は、国内で徹底的な情報統制を行い、米疾病対策センターの支援の申し出などを拒否し、さらには他国に責任をなすりつけるフェイクニュースまで流し始めている。
中国共産党の独裁によって生じた「人災」に対して、日本は善悪の視点から、責任を問う声を上げるべきではないか。
(山本慧)
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