「始まりは憧れの仕事での劣等感」 70代で海外に挑戦した男の奮闘記(1)

「始まりは憧れの仕事での劣等感」 70代で海外に挑戦した男の奮闘記(1)

 

日本人の健康寿命は世界一。今世紀後半にも、100歳まで生きることが一般的になると言われています。

 

「老後資金2000万円」などの問題がささやかれている中で、年を重ねても輝いている人生の先輩が、日本にはたくさんいます。

 

本欄では、7月末発刊の本誌9月号記事「『大人の夢』の描き方 ──人生100年を戦略的に生きる」に掲載しきれなかったエピソードも含め、75歳の時に、パキスタンで技術指導をした松岡浩史さんの「70代で海外に挑戦した男の奮闘記」を4回にわたり紹介します。今回は、第1回です。

(聞き手 飯田知世)

 

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憧れの仕事での劣等感と奮起

子供のころから船乗りに憧れていたので、商船大学に入って、船の機関士になりました。最初の10年ぐらいは、世界各地を回る船(外航船)に乗って、その後は25年間、国内を行き来する大型カーフェリーに乗船していました。

 

昔の船は、エンジンの故障が多かったので、その都度修理しないといけませんでした。それこそ、太平洋の真ん中で修理したこともあります。そういう時代はとても大変でしたが、技術が進歩すると、エンジンが壊れにくくなったので、待機している時間も増えました。

 

もちろん、船長は海難事故を起こしてはいけないので、大変です。でも、私は機関長でしたから、比較的自由な身だったんです。だから、待機している時間に勉強して、技術系のいろんな資格を取りました。半分趣味だったんですけどね。乗船するときに本をたくさん持って行くので、「何しに行くの?」と家内から言われることもありました(笑)。

 

ある時、資格を取ろうと決意したきっかけがありました。動機は、船長に対するコンプレックスでした。

 

定年前、私は機関長まで出世させていただきましたが、社会的にも、機関長より船長の立場は上ですよね。私が卒業したコースでは、船長にはなれませんでした。

 

でも、それをきっかけにして、「どこでも通用するような一流のエンジニアになってやろう!」と志を立てたんです。30代の時です。

 

最初に目指したのは「特級ボイラー技士」の資格でした。一流のエンジニアをめざすという志を立てたからには、中途半端は嫌なので、合格率が当時5%くらいの、難関資格を選びました。

 

ところが、初年度はもちろん、2回目、3回目、4回目と不合格が続き、あきらめかけた5回目(5年目)にようやく合格。

 

しかしそれ以降は、難関試験に挑戦しても、大概、一発で合格するようになりました。要は、勉強の蓄積が効いたんでしょうね。試験の内容は違いますが、やっているうちに、「自分が出題者だったら、この問題出すだろうな」というのが見えてくるんですよ。勉強が面白くなって、いろんな資格の試験を受け続けました。

 

定年になるころには、30個ぐらいの資格を取っていました。定年後も取り続けて、60代後半ぐらいまでに40個ぐらいの資格を取りました。あきらめようと思ったのは、後にも先にも、最初の資格に挑戦した時くらいです。

 

振り返ると、劣等感で終わらせずに、そこから志を立てたのがよかったのかなと思います。

 

 

定年後に資格が生きるキャリア

私の時は、55歳から年金が出ていたので、58歳で定年退職しました。そこから20年くらいが経ちますが、人生こんなに長くかかるのかと……(笑)。

 

でも、技術系の仕事でしたし、それに加えて資格も取っていたので、定年後も職にはほとんど困りませんでした。

 

60代半ばまでは、ビルメンテナンスの会社で働いて、今はビルメンテナンス関係の資格講座の講師をしています。受験対策の本も書いているんですよ。今年の2月にも新しく出版しました。自分で言うのも変ですが、結構売れているんです。

 

そういった仕事をしながら、4~5年前だったかな。政府開発援助(ODA)などをやっている国際協力機構(JICA)からご縁があって、「パキスタンに行かないか」という話が来たんです。75歳の時でした。(続く)

 

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タグ: 海外  老後資金  健康寿命  松岡浩史  パキスタン  商船大学  

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