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《本記事のポイント》

  • アメリカでは、大手放送局のうち最保守のFOX Newsが信頼度トップ
  • 視聴率ナンバーワンは、トランプ大統領を全面的に支持するニュース番組
  • 日本のニュースは反トランプの米ニュースばかりを報じ、日本人に誤解を与えている

「世界の通商秩序を破壊している」「自由主義の敵」「発言が下品」――。日本のニュース番組を観ていると、トランプ米大統領を批判する内容が圧倒的に多い。

日本メディアばかりに接していると、アメリカを含め、世界中がトランプ氏を批判しているように錯覚してしまう。しかし、少なくともアメリカ国民の本音は違うようだ。

米コンサルタント会社「ブランド・キーズ」による、米ニュース放送局の信頼度についての調査が、このほど発表された。週に3回以上テレビ番組を視聴するという4012人の対象者に、番組ごとの「信頼度」をランクづけてもらったものだ。

これによると、アメリカで最も信頼されているメディアがイギリスの公共放送BBC。次に信頼されているのがアメリカの保守系ニュース放送局FOX Newsで、その次がアメリカの公共放送PBSという結果だ。それぞれ90%、87%、86%と、対象者から高い評価を得ている。

信頼度87%のFOX Newsと、69%のCNN

イギリスニュースの情報源であるBBCと、日本でいうNHKのようなPBSに加えて、米大手放送局の中では最も保守的だと言えるFOX Newsが2位にランクインしていることは無視できない。

本誌2017年8月号でも特集したが、CNNやNBC、CBSなどの米大手放送局は一様に「反トランプ」のスタンスを取っている。その偏向ぶりは、トランプ氏に関するニュースの9割以上をネガティブなものとして報道するほど( https://the-liberty.com/article/13163/ )。そんな中、FOX Newsはポジティブな報道とネガティブな報道を同程度の割合で扱う、バランスの取れた放送局だと言えるだろう。

ところが、FOX Newsの報道が日本に"輸入"されることはほとんどない。というのも、日本の大手テレビ局がFOX Newsと提携していないからだ。提携しているのはCNNやNBC、CBSやABCなど反トランプの放送局ばかり。自動的に、トランプ氏に批判的な報道が日本で流れることになる。

ちなみに今回の調査では、日本メディアでたびたび引用されるCNNのアメリカでの信頼度は69%だという。FOX Newsと比べると、20%近く下がる。

人気トップツー番組は、トランプ支持の保守系

日本の報道とアメリカ国民の意識のギャップは、個々のニュース番組の視聴率からも明らかだ。

今年7月、ゴールデンタイムのニュース番組としてトップ視聴率を勝ち取ったのは、FOX Newsの人気キャスター、ショーン・ハニティー氏だった。アメリカでは、メインキャスターの色が番組の内容を大きく左右するため、視聴率はそのままキャスターの人気度を表すと言える。平均して、337万人の視聴者を得たという。

ハニティー氏は、全面的にトランプ氏を支持する人物であり、CNNやNBCなどのメディアがトランプ氏を猛批判する中、一貫して擁護する言論を発信し続けてきた。

ハニティー氏に続き、トランプ氏を支持するFOX Newsの人気キャスター、タッカー・カールソン氏が2位にランクインしていることからも、アメリカ国民がFOX Newsを信頼し、トランプ氏を正しく評価する報道を求めていることがうかがえる。

「反トランプ」しか流れない日本のニュース番組

日本のニュース番組を鵜呑みにしていると、トランプ氏の政策も、それを支持するアメリカ国民の実情も見誤ってしまう。日本で流れる米ニュース番組の報道が「反トランプ」に偏っていることを理解した上で、ニュースに触れることが必要だ。

本欄では引き続き、日本まで届かないアメリカ国民の動向や本音を紹介していきたい。

(片岡眞有子)

【関連書籍】

ザ・リバティ 2017年8月号 誤報だらけのトランプ報道

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