南北首脳が会談へ 北朝鮮の泣き落とし戦略か

南北首脳が会談へ 北朝鮮の泣き落とし戦略か

Willrow Hood/Shutterstock.com

 

《本記事のポイント》

  • 北朝鮮が泣き落とし戦略に転換
  • 北朝鮮との約束はことごとく破られてきた
  • 対話が時間稼ぎにならないよう、金氏の本心を見抜く必要がある

 

北朝鮮が戦略を転換している。

 

韓国大統領府は6日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が4月末に、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と南北軍事境界線にある板門店で会談することで合意したと発表した。

 

南北首脳会談に先立って5日、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長ら特使団が平壌を訪問。北朝鮮高官と協議を行うとともに、金氏と4時間にわたって会談した。

 

韓国側の発表によると、北朝鮮は会談で、北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、金体制の安全が保障されれば、朝鮮半島を非核化する意思を明確にしたという。関係正常化に向けてアメリカと対話し、対話が続いている間は核・ミサイル実験を行わないという意向も示している。

 

非核化をちらつかせてアメリカの譲歩を引き出し、対話を実現させたい考えだ。

 

 

合意はことごとく破られた

しかし、ここに落とし穴がある。

 

確かに金氏は「非核化」に言及しているが、それが韓国を含む「朝鮮半島の非核化」であることを忘れてはならない。7日付日経新聞は、「北朝鮮からすると、朝鮮半島周辺に展開する米軍の原子力空母や戦略爆撃機も朝鮮半島の『核』に含まれる」と指摘している。

 

そもそも、今回のような"泣き落とし"は北朝鮮の得意な戦法だ。

 

これまでも、日米韓を始めとする関係国が、核・ミサイルの開発凍結を条件として、北朝鮮に食糧支援や制裁解除を行ったが、北朝鮮はことごとく合意を無視し、水面下で核・ミサイルの開発を続けてきた。

 

例えば、1994年のビル・クリントン政権時には、アメリカが軽水炉建設を支援する代わりに北朝鮮が核開発を凍結する米朝枠組み合意が締結された。しかし、北朝鮮は秘密裏にプルトニウム抽出やウラン濃縮など核開発を進めており、枠組み合意は破棄された。

 

2005年には、議長国の中国と日本、アメリカ、韓国、ロシア、北朝鮮が参加する6カ国協議で、経済・エネルギー支援を条件に、北朝鮮が核放棄を約束する共同声明を採択した。しかし2006年、北朝鮮は最初の核実験を実施。その後、重油の提供を受ける代わりに核施設の活動停止・封印を受け入れる合意が結ばれるも、結局それも無効になってしまった。

 

そうこうしている間に、北朝鮮はアメリカ本土に届く核を載せた大陸間弾道ミサイル(ICBM)を実戦配備しようとしている。対話は北朝鮮の時間稼ぎにしかならなかった。

 

今回の南北首脳会談も、核・ミサイル開発を進める時間稼ぎである可能性が高い。北朝鮮が確実に核を手放さない限り、対話によって問題を先延ばしすべきではない。実際、南北首脳会談が決定した一方で、北朝鮮が核兵器開発に利用するプルトニウム生産を続けている可能性も指摘されている。

 

金氏の思惑を見抜き、日米両国で融和路線に傾倒している文氏を諌める必要がある。(片岡眞有子)

 

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タグ: 南北首脳会談  北朝鮮    ミサイル  プルトニウム  融和路線  

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