安倍政権の失敗の本質 大局観なき戦線の泥沼化の教訓はどこへ!?

 

アベノミクスの恩恵にあずかれていないとの声は多い。

 

FNN が9月に行った世論調査によると、安倍内閣の支持率は56%となり、3カ月連続で上昇したことが分かった。だがその一方で、「景気・経済対策」の項目では、評価するが33.7%で、評価しないが55.4%となり、「評価しない」が「評価する」を上回った。

 

安倍政権を支持しても、経済対策については異なる考えがあると言える。しかし、当の安倍晋三首相は、先月の所信表明演説でも、アベノミクスを再加速する姿勢をアピールするなど、まだまだ加速する余地があるとしている。

 

本当にそうなのだろうかと疑問を抱くうちに、安倍政権の政策が、戦前・戦中の歴史と興味深い一致が見られるのではと感じるに至った。頭の体操としてお読みいただきたい。

 

 

黒田バズーカから全てが始まった

2013年4月。日銀による大規模な金融緩和「黒田バズーカ」と呼ばれる、"真珠湾攻撃"から始まった「アベノミクス」。破竹の勢いで株価は上昇し、一時は2万円台を記録した。

 

この株高に人々は酔いしれ、日本経済は復活すると誰もが思った。だが、その期待感は、2014年の消費税増税によって、雲散霧消。かつての日本軍も、1942年のミッドウェー海戦で大敗を喫し、その後、雪だるま式に敗戦を重ねた。

 

消費税増税は指揮官の誤った判断であることは、経済指標にも表れている。だが安倍首相は、その間違いを反省せず、「アベノミクスは道半ば」との立場に立つ。道半ばとはいえ、すでに内閣発足から4年近くが経とうとしている。未だゴールが見えない政策に、国民は付き合わされているのではないか。

 

 

日銀の政策転換は「転進」

そんな中、日銀は今年の1月に、「マイナス金利」という"新兵器"の投入を決定した。量的緩和の"戦線拡大"を続けても、景気回復の火をつけられないためだ。最近では、その焦りが、長期金利へのターゲットを設ける「転進」へとつながったと言える。

 

転進とは、本来、作戦が完了して新たな戦地に向かうことを指すが、日本軍では退却という言葉を避けるためにこうした表現を使っていた。日銀は当初、2年で「物価安定目標」を達するとしたが、政策変更という「転進」によって、失敗を覆い隠そうとしている。

 

ただ、金融緩和によって、民主党政権に比べて、株価は好転したことは事実だ。アベノミクスの効果は、主に日銀の力によるものだが、安倍政権は、消費増税で"自爆"し、「財政出動」「成長戦略」を十分に実行できないために、日銀を"孤立無援"の状態に置いている。

 

こうした状況は、南方戦線において、補給路を寸断されて孤立した日本陸軍を想起させる。

 

 

アベノミクスの"戦局"危うし

しかし、安倍政権は"戦果"を誇大発表。俗に言う「大本営発表」を繰り返している(大本営発表とは、戦況に関する公式発表情報。戦況が悪化しても、優勢であるかのような虚偽の発表が横行した)

 

確かに、株価は上がった。失業率も改善した。企業の利益も過去最高水準になっている。だが、肝心の経済成長率は伸びず、景況感も横ばいのまま。国民の多くも、"アベノミクスの戦局"が好転している実感を持てないでいる。

 

現実に行われた大本営発表では、日本軍の攻撃によって、米空母レキシントンは6度撃沈、同じくサラトガは4度撃沈するという報告がなされた。

あまりにずさんな報告に対し、昭和天皇は「サラトガが沈んだのは今度で確か4回目だったと思うが」と軍部に苦言を呈したと言われるが、安倍政権の現状把握能力を疑いたくなるのも不思議ではないだろう。

 

 

平沼元首相の迷言とシンクロ

1938年夏、"迷言"を一言残し、内閣を去った首相がいた。平沼騏一郎(ひらぬま・きいちろう)内閣総理大臣だ。

 

平沼首相は、ドイツからの提案を受け、ソ連を仮想敵国とする日独防共協定の締結交渉を進めていた。だがその矢先に、ドイツが突然、敵であったソ連と不可侵条約を結ぶ。いきなり敵同士が手打ちしたことに驚いた平沼首相は、いわゆる「欧州情勢は複雑怪奇なり」という言葉を吐いて、内閣を総辞職した。

 

期待していたことが突然、反故にされる――。これは、安倍政権の歴史認識をめぐる外交にも当てはまる現象と言える。

 

安倍政権は、自虐史観を払拭するという保守層の支持を受けて発足した。だが、靖国神社への公式参拝はせず、謝罪外交の根源である「河野・村山談話」を踏襲する「安倍談話」を発表。昨年末には、突如「日韓合意」を結んで慰安婦問題で幕引きを図った。

 

いやはや、安倍政権の歴史認識は「複雑怪奇なり」と思わず言ってしまいたくなる。日本人の大事な精神を失うことも、外交道具の一つなのだろうか。

 

本稿は、ややおふざけに過ぎていると顰蹙を買うかもしれない。だが、あながち否定できない点もあるのではないか。

(山本慧)

 

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