六ヶ所村で活断層探し 原発は再稼働を前提に議論せよ
2012.12.20
敦賀原発、東通原発に続き、原子力規制委員会は六ヶ所村(青森県)の核燃料サイクル施設で断層調査をする方針を固めたという。19日付東京新聞が報じた。
六ヶ所村の核燃施設は、原発から出た使用済み核燃料を再利用するための再処理施設だ。今はまだ本格稼動しておらず、いくつかの原発から出た使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物などを保管している。危険度の高い放射性廃棄物も扱うことから、断層があると判断されれば六ヶ所村の施設は使えなくなり、保管されている使用済み燃料を他の原発の核燃料プールに移さなければいけない事態もありうるという。
しかし、各原発の核燃料プールは、原発内で出た使用済み核燃料棒を置くための場所だ。そこに六ヶ所村の使用済み燃料を押し込んだら、核燃料棒の交換ができなくなり、その原発の再稼動や運転継続ができなくなってしまう。そのため各地の原発再稼動が難しくなると、東京新聞は伝えている。
だが、そもそもこうした活断層探しや地震調査にはほとんど意味がない。本誌2月号(12月25日発売)でも述べているが、05年の福岡沖地震や07年の新潟中越沖地震など、大地震は活断層と関係のないところでも起きている。そもそも、地震大国の日本で、地震の可能性が全くないところを見つける方が難しい。原子力委員会は東通原発について14日、わずか3時間の議論で「断層あり」という結論を出したが、ある調査員の「将来動く可能性があるというだけでいい」という発言からも分かる通り、「廃炉」という結論ありきの調査だったと言える。
今回の選挙結果では、原発は日本に必要だと考える民意が明らかになったのだから、政府は原発再稼働に向けて動き出すべきだ。安倍晋三・自民党総裁は原発について「柔軟に考えていく」と言うが、考えている間に時間はどんどん経つ。東京新聞によれば、6年以内に使用済み核燃料の保管場所が足りなくなる原発が全体の7割弱あるという。「廃炉ありき」のための調査より、原発の耐震性や、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の耐震性を高めつつ、新たに安全な原発、安全な貯蔵施設を作るべきだ。(居)
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