所沢市職員が立場を悪用し、親族のマイナンバーを不正利用 ─ 行政の性善説で成り立つ不安定な制度
2025.07.18
《ニュース》
埼玉県所沢市役所の職員が、自身や妻の親族のマイナンバーを不正に入手していたとして、逮捕されました。
《詳細》
逮捕されたのは、所沢市上下水道局の職員の男性です。捜査関係者によると、男性は2023年2月から3月までの間に、市が管理するパソコン端末から住民基本台帳ネットワークシステムにアクセスし、親族14人分のマイナンバー情報を不正に閲覧し、入手した疑いがもたれています。24年11月に市役所側から「職員が職務上の権限を利用し、職務目的以外でマイナンバーを照会し取得している」と埼玉県警に相談があり、発覚しました。
男性は勤務時間中に、親族らのマイナンバー情報を入手して収入状況を調べ、親族らを自身や妻の扶養に入れる申請を行うことで、還付される税金を不正に受け取ったり、自身が負担する税金の控除を受けたりしていたとみられています。
同システムへのアクセス権は市役所内の限られた人物しか持っていませんが、男性は事件当時、市民税課の主任を務めていたため、その権限を有していたといいます。警察はその立場を利用して犯行に及んだとみています。
「職権濫用によるマイナンバー関連書類の取得」という、マイナンバー法違反の52条を適用した事例は全国で初めてです。
マイナンバー制度に詳しい武蔵大学の庄司昌彦教授(情報社会学)は「この制度は個人情報が厳格に管理されているという信頼で成り立っている。その信頼を裏切る重大な問題だ」と指摘しています(7月10日付毎日新聞電子版)。
《どう見るか》
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