大手薬局が不本意なマイナ保険証登録をさせ、謝罪するトラブル発生 いまだに利用率は6.56%、ぬぐえないマイナンバー制度への警戒感
2024.06.11
《ニュース》
薬局や病院でマイナ保険証の利用促進が進められる中、「マイナ保険証のみの受付になる」として、患者が差し出した現行の健康保険証を返却した薬局が、謝罪文を出すトラブルが起こりました。
《詳細》
11日付東京新聞によれば、5月末に都内の大手薬局チェーンの受付窓口で処方箋と健康保険証を差し出した男性に、薬局職員が「マイナ保険証のみの受付になる」と保険証を突き返したため、男性はマイナ保険証の利用登録を行ったといいます。男性はマイナカードを所持していたものの、情報漏洩を懸念して保険証の登録はしていませんでした。後日、マイナ保険証をつくる必要はなかったと分かった男性が抗議。薬局は謝罪文を出しています。
厚生労働省は、薬局が薬を処方する場合に、処方箋かマイナ保険証、現行の健康保険証のいずれかで資格確認ができれば問題はないとしています。しかし、この薬局チェーンでは23年12月から、資格確認に現行の保険証を用いないこととしていました。この対応について広報担当者は「いずれ現行の保険証はなくなるし、国もマイナ保険証の活用を進めていこうとしていたから」と説明しています(11日付同紙)。
ANNによれば、複数の医療機関で、「マイナ保険証を持っている人が診察を先に受けられる」といった優先対応を行っているといいます(6日付電子版)。厚生労働省は5~7月を「マイナ保険証利用促進集中取組期間」とし、利用者が増えた医療機関では病院で最大20万円、薬局や診療所で最大10万円の一時金を支給しますが、窓口での声掛けやチラシ配布が条件となっています。
政府はマイナ保険証の推進のため、2023年度補正予算で887億円を計上。そのうち、一時金の支給には217億円の予算を編成しています。「マイナ保険証しか使えない」という対応が出ている背景には、この「一時金の支給」があることが伺えます。
《どう見るか》
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